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ホームページに何を載せればいい? Web屋に「アクセス」「SEO」の話ばかりされてきた社長へ

2026 6/02
Blog
2026年6月2日
日本人の60代男性経営者が、自分のオフィスでノートパソコンの画面を見ながら「何を載せればいいんだ」と少し困った表情で腕を組んでいる場面。午前の柔らかい自然光、写真風、ドキュメンタリーテイスト、温かみのある色調

「ホームページは作ったんじゃ。でも、何を載せたらええんか、さっぱりわからん」

僕が岡山で経営者の方とお話ししていると、ほとんど必ずと言っていいほど、この言葉に行き当たります。立派なサイトを数十万円かけて作ったのに、いざ運用しようとすると、手が止まってしまう。何を書けばいいのか分からない。だから更新されないまま放置され、「ウチのホームページは何の役にも立っとらん」という結論にたどり着いてしまう。

でも、はっきりお伝えしたいことがあります。「何を載せればいいか分からない」のは、あなたがITに弱いからではありません。Web制作会社が、いつも「アクセスを増やしましょう」「SEOで検索上位を取りましょう」「SNSを毎日更新しましょう」と、手法(マーケティング)の話ばかりをして、肝心の”何を載せるか”を一緒に考えてくれなかったから。ただ、それだけのことなんです。

この記事では、Novus Digital(ノバスデジタル)として僕が日々向き合っている「ホームページに、本当は何を載せるべきか」というテーマを、できるだけ正直に書きます。結論を先に言うと、答えは小手先のテクニックではありません。あなた自身、つまり”社長その人”を載せる。従来のWeb制作とは少し違う、この一本道についてのお話です。実際にあった出来事を交えながら書いていきます。少し長くなりますが、お付き合いください。

目次

「ホームページに何を載せればいいか分からない」の正体

古びたウェブサイトの画面に「準備中(カミングスーン)」「最終更新3年前」と表示されている。少し寂しげで、誰にも見られていない雰囲気。写真風、落ち着いた色調

多くの社長が悩む「何を載せればいいか分からない」。その正体を理解するために、まずは僕が実際に見てきた、よくある”失敗の形”を2つご紹介させてください。あなたの会社にも、思い当たるところがあるかもしれません。

「カミングスーン」だらけのサイトは、なぜ生まれるのか

以前、岡山県内でも有数の規模を誇る会社の社長さんとお会いしたときのことです。開口一番、こう仰いました。「ウチはネット、っちゅうんが全く動いとらんのんじゃ」と。

立派なホームページをお持ちでした。ウン十万円かけて、業者さんに作ってもらったそうです。けれど、よく見ると「カミングスーン(準備中)」の文字ばかり。最後のお知らせ記事は3年前。どこを押せばお問い合わせにたどり着けるのかも、正直よく分からない。これでは集客は見込めないと、ひと目で分かる状態でした。

なぜ、こうなってしまったのか。理由を伺うと、同業の経営者仲間から「ホームページで人が採れた」「SNSから求人が来た」という話を聞いて、焦って作ったのだそうです。でも、いざ作ってみたものの、何を載せればいいか分からない。更新は身内(親族)に任せきりで、その身内も自分の仕事があるから、なかなか手が回らない。身内だから強くも言えず、いつしか放置されていく——。

これは、決して珍しい話ではありません。むしろ、地方の会社では”あるある”と言っていいほど、よく見かける光景です。問題は、社長のやる気でも、能力でもありません。「何を、誰に、どう伝えるか」という設計を、誰も一緒に考えてくれないまま、箱(サイト)だけが先に出来上がってしまったこと。中身を入れる前に、入れ物だけが完成してしまったんです。

業者に言われるまま作ると、”望まない客”が来る

もう一つ、忘れられない話があります。地元で、ご兄弟とメカニックさん一人でやっている、小さな車屋さんにお伺いしたときのこと。腕は確かで、人柄も申し分ない。なのに、Web上には情報がほとんど存在しませんでした。なぜ発信していないのか、その理由を伺って、僕はハッとしました。

「前に、あるサイトに載せとったんじゃ。けど、来るのはクーポン目当てのお客さんばっかりで。値引きの要求はきついし、無茶も言われる。ひどいときには支払いも滞る。それで、もうネットのお客さんは信用できん、てやめたんじゃ」

多くの人は、これを「ネット集客が苦手な会社」と片付けます。でも、僕の見立ては違います。問題はネットそのものではなく、「誰に、何を、どう伝えるか」という設計が抜け落ちていたことだったんです。業者さんの営業トークのまま、ただ「安いです」「早いです」と、価格や条件だけを並べたページを作る。すると当然、価格にしか興味のない人が集まってくる。集まってきたお客さんに振り回されて、最後は「ネットは怖い」という結論になってしまう。

よくある誤解
「ネット集客が苦手」には2種類あります。①やったことがなくて怖い「知らない苦手」と、②過去にやって痛い目を見た「経験した苦手」。多くの社長は②だと思い込んでいますが、本当の原因は「ネット」ではなく、その前段にある「何を載せるかを決めないまま、業者任せで作ってしまったこと」。道具ではなく、中身の設計の問題なんです。

この2つの話に共通しているのは何か。それは、ホームページに、肝心の”あなた自身”が載っていないということです。会社の住所、電話番号、事業内容、価格。そういう「情報」は載っている。でも、その会社を動かしている社長がどんな人で、何を考え、どんな思いで仕事をしているのか——それが、すっぽり抜け落ちている。「何を載せればいいか分からない」の正体は、ここにあるんです。

【実話】「そんなに話すことない」と言った社長が、3時間半語った日

日本人の50代男性経営者が、土曜日の昼下がりのオフィスで、若手の聞き手に向かって自社の歴史を熱心に語っている場面。テーブルにはボイスレコーダーとコーヒー。自然光、写真風、ドキュメンタリーテイスト、温かい雰囲気

では、「あなた自身を載せる」とは、具体的にどういうことなのか。抽象的な話だけだと伝わりにくいので、最近、僕が実際に体験した出来事をお話しさせてください。これが、この記事で一番お伝えしたい話です。

「社長という”人”を載せませんか」と提案した日

ネットの使い方をあまりご存じなく、これまで業者さんに言われるがままホームページを作ってこられた、ある社長さんがいらっしゃいました。「ネットで何ができるのか」というお話をさせていただく機会があったとき、僕は、よくあるWebマーケティングの話はそこそこにして、こう切り出しました。

「社長、ホームページに”社長ご自身”を載せませんか?」と。

社長は、きょとんとされていました。アクセスを増やすとか、検索で上位に出すとか、そういう話が来ると思っていたのでしょう。だから僕は、こう続けました。「もしお時間をいただけるなら、社長のお話を聞かせてください」と。

「いいけど、どれくらい?」

「うーん……社長のことですから、最低でも2時間はしっかりお時間を取りたいですね」

「そんなに!?」

社長は本気で驚いていました。そんなに話すことがあるわけがない、という顔です。僕は、内心で「いやいや」と思いながら、にやりと笑ってこう返しました。「たぶんですけど、2時間じゃ済まないと思いますよ」と。社長は「そうかなあ、そんなに話すことないと思うんだけど……」と、まだ半信半疑のご様子でした。

この「そんなに話すことない」というのは、謙遜でも、はぐらかしでもありません。社長ご自身が、心の底から本当にそう思い込んでいるんです。何十年も会社を続けてきた人ほど、自分の歩みが”当たり前”になりすぎて、それがどれだけ特別なことか、見えなくなっている。だからこそ、横で「それ、めちゃくちゃ面白いですよ!」と本気で驚く人間が必要なんです。

2時間の予定が、3時間半。そして社長は驚いた

後日、土曜日の昼下がりから、2時間の予定でお話を聞かせていただくことになりました。すると——なんと、3時間半。それでもまだ、話し足りないご様子でした。さすがに僕のほうが疲れてしまって、「いったん、ここでまとめさせていただきますね」と、こちらからお願いするほどでした。

「そんなに話すことない」と言っていた社長が、3時間半。これが、現実なんです。創業のきっかけ、一番苦しかった時期、そこで何を守って何を捨てたか、社員への思い、お客さんへの感謝。一度堰を切ると、言葉は次から次へとあふれ出してくる。語ることがないのではなく、これまで誰も、じっくり聞いてくれなかっただけなんです。

僕は、その録音データを文字に起こし、社長が大事にされている理念や考え方を、議事録として、そして戦略書としてまとめ、後日お渡ししました。バラバラに語られたエピソードを、「なぜこの会社が存在するのか」という一本の軸で並べ直して、形にしたんです。

それをご覧になった社長は、本当に驚かれました。そして、こう仰ったんです。

社長の言葉
「ほう……。ネットって、こういう使い方もできるんだな、と感心しているよ。今までずっと、マーケティングがどうの、アクセスがどうの、みたいな話ばかりだったからさ。ありがとう。期待しているよ」

この一言に、すべてが詰まっています。「ネットって、こういう使い方もできるんだな」。多くの社長が、Webと聞くと「アクセス」「集客」「マーケティング」しか思い浮かばない。それ以外の使い方があることを、誰も教えてくれなかったんです。こうして、その会社では、コーポレートサイトの「代表コラム」として、社長の言葉を発信していくお手伝いをさせていただくことになりました。

キュウ

「アクセスを増やす」も、もちろん大事です。でもその前に、増やしたアクセスの先で、お客さんに”何を”見てもらうのか。そこが空っぽなら、人が来ても素通りされるだけなんですよね。順番が、逆なんです。

アクセスやSEOより先に、なぜ”人”を載せるべきなのか

2冊の会社案内パンフレットを手元で見比べているクローズアップ。片方は無機質なスペックと価格の表、もう片方は人の写真と物語が載っている。落ち着いた色調、写真風

「気持ちは分かる。でも、結局はアクセスを増やさないと意味がないんじゃないの?」——そう思われるかもしれません。でも、僕がアクセスやSEOより先に”人”を載せるべきだとお伝えするのには、はっきりした理由があります。

人は最後、”何を売っているか”より”誰がやっているか”で選ぶ

少し前まで、ホームページは「会社案内のデジタル版」で十分でした。住所と電話番号、事業内容、沿革。それを載せておけば、それなりに役目を果たしていた時代があったんです。でも、今は違います。お客さんも、求職者も、取引先も、まずスマホであなたの会社を検索して、「どんな人がやっているのか」を確かめてから動きます。

情報があふれかえった今、商品やサービスのスペックは、どこも似たり寄ったりに見えます。価格で比べれば、必ずどこかに、もっと安いところがある。そうやってスペックと価格だけで比較される土俵に立った瞬間、中小企業は体力勝負で大手に負けてしまう。これが、多くの会社が価格競争から抜け出せない構造の正体です。

では、何が最後の決め手になるのか。「この人になら、任せられる」という、人としての信頼です。そして、その信頼を生む唯一の源泉が、社長の人柄であり、これまで歩んできた物語なんです。だから、アクセスを増やすことより先に、まず”人”を載せる。来てくれた人が「この会社にお願いしたい」と思える中身を、先に用意しておく。順番として、こちらが先なんです。

「自分の言葉が、言語化される」という驚き

もう一つ、忘れられない出来事があります。僕がまだ駆け出しだった頃、実績を作りたくて、リアルで懇意にしていた知り合いに、無料モニターとしてホームページ作りをお願いしたことがありました。その方は、SNSで商品を紹介しているだけでした。

僕は、その方に「なぜ、このサービスを始めたのか」「どんな思いで続けているのか」を、じっくり伺いました。そして、その思いを一緒に言葉にして、ホームページに乗せたんです。完成したものを見たオーナーさんは、画面をしばらく見つめたあと、ぽつりとこうつぶやきました。

「こんなふうに、僕の言葉が言語化されるんだ……」と。

自分の中に確かにあったのに、自分では形にできなかったもの。それを第三者が掘り起こして、目に見える言葉にする。そのときの、あの少し驚いたような、嬉しそうな表情を、僕は今でも覚えています。あとから、その方はこう言ってくれました。「このページに来てくれた人になら、高い確率で買ってもらえる気がする」と。“人”が載っているページは、来た人の心を動かす力を持つ。それを、僕自身が教えてもらった出来事でした。

📎 あわせて読みたい

社長の「想い」を言語化する完全ガイド|なぜWebに乗せるべきか、どう言葉にするか

「人を載せる」をもう一段深く、思想の言語化そのものの手順や、事業承継での活かし方まで知りたい方は、こちらの記事で全体像を解説しています。

“あなた自身”が伝わるページの作り方

ノートパソコンの画面に、見出しと人物写真がバランスよく配置された「代表メッセージ」ページの構成イメージが表示されている。すっきりとした明るいデスク、写真風

では、実際に”あなた自身”が伝わるページを、どう作ればいいのか。Web制作を本業にしている立場から、難しく考えずに始められる順番をお伝えします。完璧を目指す必要はありません。まずは、形にすることが大事です。

代表メッセージ・代表コラムに、何を書けばいいか

「代表メッセージ」や「代表コラム」と聞くと、立派な経営理念を、かしこまった言葉で書かなければいけない、と身構えてしまう方が多い。でも、まったく逆です。大事なのは、この順番で、あなたの”素”を出すことだけです。

“人”が伝わるページ・書く順番

① 原点のストーリー:なぜ、この仕事を始めたのか。一番苦しかった時期と、そこで決めたこと。

② 大事にしている価値観:日々の判断で、何を曲げないか。3つくらいに絞ると伝わります。

③ お客さん・社員への約束:その思いが、相手にどんな価値として届くのか。

④ 顔の見える締め:あなたの顔写真と、署名のような一言。これがあるだけで、信頼感がまるで変わります。

ここで一番大切なのは、作り込みすぎないことです。広告コピーのように飾った言葉は、読み手にすぐ見抜かれます。あのモニターのオーナーさんが感動したのも、立派な文章だったからではありません。「自分が普段使っている言葉」のまま、思いがきれいに整理されていたからです。文章のうまさは関係ありません。むしろ、不器用でも本音で語られる言葉のほうが、何倍も人の心を打ちます。

「思いは固まったけれど、それを実際に問い合わせや成果につなげるには、ページをどう組めばいいの?」という方は、こちらの記事もどうぞ。読み手が安心して行動に移る”順番”について書いています。

📎 あわせて読みたい

問い合わせが来るホームページに共通する「安心の順番」

“自分の言葉”を載せた後、何が起きるか

先ほどの、3時間半語ってくださった社長の話には、続きがあります。代表コラムは、実際の作業としては、社長のお話を僕が聞き取り、社長の言葉として形にするお手伝いをしました。けれど、社長ご自身が、それを完全に”自分ごと”として受け止め、何度も読み返し、丁寧に手を入れてくださったんです。もともと社長ご自身の考えを言葉にしたものですから、これはもう、社長が書いたものと言って差し支えありません。

そして、それを発信し始めてから、いくつもの変化が起きました。一つは、社長ご自身の変化です。同業の経営者仲間から「お前のところ、ああいうの始めたな」と聞かれても、堂々と、自分の言葉として語れるようになった。自分の思想が、きちんと言葉になって外に出ている。その手応えが、社長に静かな自信を与えていました。

もっと驚いたのは、社内での変化です。コラムを通じて、社長が普段は口にしない創業の苦労や信念に、社員の方々が触れることになった。すると、部下の方たちの、社長を見る目が変わったそうなんです。「うちの社長は、こんなことを考えていたのか」という、畏敬の念というか、深い尊敬。それまで見えていなかった社長の背中が、言葉を通じて、はっきり見えるようになった。

“人”を載せた会社に起きたこと
社長が同業者にも堂々と語れる誇りを持てた。社員が社長の思想に触れ、尊敬と信頼が深まった。結果として、それが社員教育としても成果につながり始めた。集客のために作ったページが、社内の結束まで強くしてしまったんです。

これが、僕がいつも社長たちにお伝えしたいことの核心です。”人”を載せるという行為は、単なる集客施策ではありません。それは、社長自身が自分の歩みに誇りを取り戻し、社員がその背中を見て育つ、会社そのものを内側から強くする営みなんです。ホームページという、お客さんに向けて作ったはずのものが、回りまわって、一番近くにいる社員の心に火を灯す。これほど嬉しい誤算は、なかなかありません。

まとめ:あなたのHPに足りないのは、技術ではなく「あなた」

朝日が差し込むオフィスで、日本人の経営者が前を向いて穏やかに微笑んでいる、希望のある場面。温かい光、写真風、ドキュメンタリーテイスト

ここまで読んでくださって、ありがとうございます。最後に、僕が一番伝えたいことを、もう一度だけ。

「ホームページに何を載せればいいか分からない」。その悩みの答えは、新しいツールでも、流行りのテクニックでも、アクセス解析でもありません。あなた自身を、あなたの歩んできた物語を、載せること。たったそれだけです。あなたのホームページに足りなかったのは、技術ではなく、「あなた」だったんです。

そして、もう一度言わせてください。あなたの会社に、語ることが無いわけがありません。何十年も、潰さずに会社を続けてきた。社員とその家族の生活を背負ってきた。何度も折れそうになりながら、それでも立ち上がってきた。「そんなに話すことない」と言っていた社長が、3時間半語ったように、あなたの中にも、まだ言葉になっていない物語が、必ず眠っています。

ITに強いことと、社長の痛みに本気で寄り添えることは、別の力だと、僕は思っています。僕自身、何度も失敗して、泥臭く這い上がってきた人間です。だからこそ、ITの知識を振りかざすより先に、社長の、まだ言葉にならない思いに、本気でスポットライトを当てたい。アクセスやSEOの話で社長を置いてけぼりにするのではなく、その隣に座って、一緒に「何を載せるか」から考えたい。それが、僕がこの仕事をやっている理由そのものなんです。

「ウチのホームページには、何を載せればいいんだろう」。そう少しでも思ってくださったなら、まずは誰かに、あなたの会社の歩みを話してみてください。一人で抱え込まなくて大丈夫です。言葉にするお手伝いは、僕がします。

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キュウ
Novus Digital代表:作る前に整理するWebパートナー
岡山で活動する、伴走型のWebマーケティングパートナー。
飲食店の店長・SVとして15年、運送業8年、現場で売上と集客に向き合ってきました。

ホームページ制作だけでなく、集客の流れや運用まで含めて一緒に整理するスタイルが特徴です。
Webが苦手な経営者の相談相手として活動しています。
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