「ホームページはいらない」とGoogleで検索したあなたは、たぶん心のどこかで「やっぱり必要なのか、それとも本当にいらないのか、誰かにハッキリ言ってほしい」と思っていますよね。
同業の社長から「ホームページで集客できとるで」と聞かされ、業者からは「今どきホームページないと信用されませんよ」と急かされ、一方で「うちは紹介と口コミで回ってるから別にいらん」と心の中で言い返してきた。そんな板挟みの中で、ふと夜中に検索バーに「ホームページ いらない」と打ち込んでしまった――そんなところじゃないでしょうか。
結論から先に言います。
僕の名前はキュウ。Novus Digital(ノバスデジタル)という屋号で、岡山の中小企業や個人事業主の社長さんに、Webの「設計」から伴走させてもらっています。前職は飲食店の店長を15年、その後運送業を8年やってきた、ガッツリ現場叩き上げの人間です。
だからこそ、お伝えしたいことがあります。
ホームページの世界には、「作ったほうがいい」と「作らないほうがマシ」の両方が同時に存在します。そして大事なのは、見栄でも流行でもなく、あなたの事業の「今」と「これから」に対して、ホームページが本当に効くのかどうかを冷静に見極めること。それだけです。
17,000字、長文でお届けします。同業者の話に流される前に、まずはこの記事を読み終えてから判断してみてください。読み終わるころには、「うちはいらない」「うちはやっぱり必要だ」のどちらか、あなた自身の言葉で言えるようになっているはずです。
ホームページが「いらない会社」と「必要な会社」の判断軸
- 新規顧客を増やす必要がない
- 取引先がほぼ法人ルートで完結
- 採用も取引もWeb検索される機会ゼロ
- BtoB単価30万円以上
- 士業・コンサル・サービス業
- 採用予定あり / 事業承継予定
まず最初にお伝えしたいのは、「ホームページの必要性は、会社によって本当に違う」ということです。一律に「全員必要です」とも「全員いらない」とも、僕は言いません。
世の中のホームページ制作会社のサイトを覗くと、たいてい「ホームページは必須です!」「持っていないと信用されません!」という論調で書かれています。当然です。彼らは作ることが商売だから。逆にSNSコンサルのサイトを覗くと「ホームページは古い、これからはSNS!」と書かれている。これも当然です。
僕の立ち位置はそのどちらでもありません。必要な会社にだけ作ってもらいたい。不要な会社には作らないことを勧めたい。これが本音です。だから、判断軸を「業種・規模・集客チャネル」の3つで丁寧に分解していきます。
「ホームページ いらない」と言える会社の3条件(業種・規模・集客チャネル)
結論から言うと、次の3条件すべてに当てはまる会社は、ホームページがなくても事業は回ります。無理して作る必要はありません。
この3つが揃っている会社は、率直に言ってホームページに数十万円から数百万円かける意味は薄いです。たとえば、地元の建設業界で長年ボスから二次下請けを受け続けてきた会社。新規取引先を開拓する気もなく、求人も既存社員の紹介で埋まり、商品も法人向けの完全受注生産。こういう会社にホームページを作っても、誰も見ません。お金の出口になるだけです。
僕が以前、岡山県内のある運送会社さん(前職時代に同業の社長さん)と立ち話をした時、こんなことを言われました。
これ、正論です。この会社にとってホームページは、確かに今は不要です。あえて言えば「銀行融資の時に会社の存在証明として最低限の1ページがあれば足りる」程度。フルサイトを構えてSEO対策する必要はありません。
では逆に、この3条件のうち「ひとつでも欠ける」会社はどうか。ひとつでも欠けたら、ホームページは「あったほうがいい」側に転がります。たとえば、「紹介だけで回ってるけど、実は紹介が少しずつ減ってきてる気がする」「下請け中心だけど、ゆくゆくは元請け案件も取りたい」「採用が年々厳しくなってきた」――どれかひとつでも頷いたら、もう「いらない」とは言えません。
厳密には、ホームページなしで成立する事業は世の中に確かに存在します。しかしそれは、事業環境が変わらない前提のうえに成り立っています。岡山の地方経済を見ていても、ここ数年で「紹介だけでは新規が来なくなった」と相談に来られる社長さんが急増しています。判断は今だけでなく、3年後・5年後の事業環境で見るべきです。
あなたの会社は、3条件すべてに当てはまりますか? ひとつでも怪しいなら、次の章「『会社 ホームページ いらない』が誤判断になる典型業種」もぜひ読み進めてください。
「会社 ホームページ いらない」が誤判断になる典型業種
では逆に、「ホームページ いらない」と判断するとほぼ確実に損する典型業種を挙げていきます。これは僕が現場で見てきた肌感覚と、検索行動の分析の両方から導いた結論です。
この中で特に多くの社長さんが見落としがちなのは、「採用」と「事業承継」です。集客のためだけにホームページを考えると、「うちは集客足りてるからいらない」となりがち。でも採用と承継の視点を入れると、答えが変わります。
少し前に相談を受けた、岡山の老舗の機械加工会社さんの話をします。社長は60代後半、後継ぎは40代の長男さん。社員数は12名、地元の大手メーカーから安定して仕事をもらっている、典型的な「ホームページなしで回ってる会社」でした。
ところがある日、社長から電話があり、「今度、若い社員を1人採用したいんじゃけど、求人サイトに出しても全然応募が来んのじゃ。ハロワも反応薄い。何が悪いんかな?」と相談されました。話を聞いていくと、応募候補だった若者が「会社名で検索したら何も出てこなかったので、ちょっと不安で応募しなかった」と知人経由で漏らしていたとのこと。
事業承継も同じです。長男さんに会社を引き継ぐとき、創業からの歴史・社員紹介・取引先実績・社長の理念――こういうものが何ひとつWebに残っていない会社は、引き継ぐ側にとって「実体が見えにくい」状態になります。逆に、丁寧に作られた会社サイトは、それ自体が「次世代への引き継ぎ書面」として機能します。
もうひとつ、見落とされやすい業種が「地域密着のサービス業で口コミだけに頼っている店」。たとえば、地元で評判の整骨院。常連で予約が埋まっているから「うちはホームページいらん」と思っている。でも、新規のお客さんが「○○整骨院ってどんなとこ?」と検索した時、Googleマップにすら情報がなかったら、その新規流入は永遠にゼロです。常連が引っ越したり、年齢を重ねて来られなくなったりしたとき、後悔します。詳しくはSNSだけで集客し続けるのは危険です【中小企業がハマる落とし穴】でも書きましたが、口コミ・紹介・SNSだけで回っているように見えても、実際は「Webで存在を確認できないこと」が機会損失を静かに膨らませています。
あなたの業種は、いま挙げた典型業種に当てはまっていませんか?
「インスタ・SNSだけで足りる」が落とし穴になる瞬間
「うちはインスタで集客できとるからホームページいらん」――この台詞、僕は本当に何度も聞きました。SNS全盛の時代、特に飲食・美容・物販・サロン系の社長さんからよく聞きます。
結論から言います。SNSだけで集客できているように見えている瞬間こそ、もっとも危ないです。これは脅しでも煽りでもなく、僕がモニターさんを通じて何度も目撃してきた事実です。
少し前、僕が懇意にしている岡山の車屋さん(ご兄弟2人とメカニック1人の小さな町の整備工場)にホームページ制作のモニターをお願いに行ったときのことです。
僕は内心ワクワクしていました。「Web情報が一切存在していない、ポータルサイトもSNSもない。これは『キュウさん、お願いします』って二つ返事で乗ってくれるはず」と。実際、社長は気持ちよくOKしてくれました。「キュウさんの実績になるんなら、ええよ」と。
ところが、ヒアリングに入って分かったのは、ご兄弟が「ネット集客をやらない」と決めた、痛烈な過去の体験でした。
この社長さんが言ったのは、「ネット集客が嫌いなんじゃない、ネットから来るお客さんの『質』が嫌だったんじゃ」ということでした。
僕はこの話を聞いて、「ああ、これはネットの問題じゃない。設計の問題だ」と直感しました。「誰に来てほしいか」「自店の価値をどう伝えるか」「どんな客は最初からお断りなのか」――こういう設計を一切せずに、業者の言うがままにポータル掲載した結果、望まない客ばかりが集まってしまった。それは、ポータルの仕組み的に「最安値で目立つ店ほどクリックされる」からです。
同じように、「インスタだけで集客している」社長さんにも、似たリスクが潜んでいます。インスタは「画像の華やかさ」「投稿のリズム」「フォロワー数」で勝負する世界。ここで集客できている店は、確かにいまは回っているかもしれません。でも、
- 来てほしくないお客さん(撮影だけで購入しない人など)が増える
- アルゴリズム変更で一気にリーチが激減する(実際、毎年のように起きています)
- アカウント停止リスク(突然BANされたら、顧客リストごと消える)
- 客単価の高い高所得層は、SNSではなく検索で店を探している
僕がモニター活動の中で見てきたなかでも、SNS依存で痛い目を見た事例は少なくありません。アカウントが一度止まると、新規流入も既存予約導線も同時にゼロになります。「ホームページがあれば、せめて予約フォームと住所と電話番号だけは生き残ってたんですけど」――そう後悔の声を聞くたび、SNSとホームページは「片方じゃなく両輪」だと痛感します。
SNSは入口としては優秀です。でも、SNSだけで完結させようとすると、3つの落とし穴が必ずどこかで顔を出します。①望まない客の流入、②アルゴリズム依存リスク、③アカウント停止リスク。この3つを「自分の事業に当てはまるかどうか」で1分間考えてみてください。当てはまるなら、SNSと並走するホームページが「保険」として絶対に効きます。
「インスタだけで足りる」――この言葉が出てきたら、3年後の自分にも同じ台詞が言えるか、一度立ち止まって考えてみてほしいんです。
「ホームページ いらない」と決めつけて損する3つの失敗パターン

ここからは、僕が現場で見てきた「ホームページ いらない」と決めつけたばかりに、後で大きく損をしてしまった社長さんたちの典型パターンを3つ紹介します。
これは脅しでも煽りでもありません。実際にあった話、もしくは僕自身が現場で経験した話です。あなたの会社が今同じ判断をしようとしているなら、最後まで読んでから決めても遅くないはずです。
3つのパターンには、共通点があります。「いらない」と決めた理由が、事業の本質から出てきていないこと。お金がない、面倒くさい、過去に失敗した、業者がうさんくさい――そういう「感情の理由」で判断してしまったケースばかりです。判断軸が「事業のため」になっていないと、後で必ずツケが回ってきます。
失敗①:必要なのに「とりあえず作って」放置で逆効果(ある飲食オーナーの話)
1つ目の失敗パターンは、僕が以前、飲食業界にいた頃に間近で見ていた、ある飲食店オーナーさんの話です。今思い出しても、こちらが胃が痛くなる結末でした。
そのオーナーさんは、地方都市で複数店舗を持つ、現場叩き上げのやり手の経営者でした。同業の集まりで「ホームページから予約が入るらしい」「うちもそろそろ持たなあかん」という話を耳にして、知り合いの業者さんに「とにかく安く、早く、それっぽく作ってくれ」とお願いしたそうです。設計の議論はほぼゼロ。現場のスタッフも毎日朝から晩まで動いていて、業者との打ち合わせに割ける時間がほとんど取れない。「中身の写真は適当に厨房と外観でええで」と丸投げのまま、数週間後にサイトが公開されました。
業者さんから「これで公開してよろしいですか?」と最終確認をされたとき、オーナーさんはこう答えたそうです。
この一言が、後で何を引き起こしたか。
公開した直後は、何も起きませんでした。アクセスもほぼゼロ。ところが半年経った頃、店舗のスタッフからオーナー宛に「お客様から『写真と実物が違う』『載ってるメニューがない』と問い合わせが何件も来とります」と報告が入るようになります。慌ててサイトを見直してみたら、半年前に公開したまま、メニューも価格も季節限定情報も全部古いまま。お客様は古い情報を信じて来店し、店頭で「料金違うじゃないか」「載ってる料理がない」と小さなクレームに発展していたのです。
結果、オーナーさんは現場をかなり疲弊させながら業者へ追加発注して情報を入れ替え、来店客への謝罪対応にも追われることになりました。「いらない」じゃなく「とりあえず作って放置」を選んだ結果、最初に「ちゃんと設計して作る」よりも、はるかに大きな時間と労力と、何より信用を後から失う羽目になったんです。
この事例から学べるのは、「いらない」と「とりあえず作る」は、どちらも危険な判断だということです。本当にいらない会社なら、そもそも作らない判断のほうがマシ。逆に必要な会社なら、最初から「設計してから作る」一択。「とりあえず」は中途半端で、ほぼ確実に後悔します。
そしてもうひとつ大事なのは、更新と運用の覚悟がないなら、作らないほうがマシということ。古い情報のまま放置されたホームページは、お客様にとって「この会社、ちゃんとしてないな」というマイナス印象を与えます。「とりあえず作って放置」は、無いよりも悪い状態を作り出します。
もしあなたが今、「業者から急かされて、とりあえず作ろうかな」と思っているなら、ぜひこのオーナーさんの教訓を思い出してください。詳しい「集客できないホームページの構造的な原因」はホームページ作ったのに集客できない理由|失敗する会社の共通点でも書いていますので、合わせて読んでみてください。
失敗②:作ったけど『カタログHP』で動かない(体育会系社長のカミングスーンサイト)
次は、僕がNovus Digital(ノバスデジタル)として独立してから、岡山県内のある社長さんから受けた相談の話です。固有名詞は伏せますが、岡山では誰もが知る、それなりの規模の会社の社長さんでした。
初回の打ち合わせで、社長は開口一番こう仰いました。
会社サイトを見せてもらいました。県内で大手の会社さんなので、見た目だけは立派なホームページでした。トップページは美しく、メインビジュアルもしっかりしている。しかし、よく見るとそのサイトの中身は次のようになっていました。
これは典型的な「カタログHP」の状態でした。会社案内パンフレットをそのままWeb化しただけで、お客様の行動を設計していないサイト。あえて言えば、「立派な看板を出しているのに、入り口のドアに鍵がかかっていて、誰も入れない店」と同じ状態です。
社長に「なんでこの状態のまま、3年も?」と聞いたら、ちょっと照れ笑いしながらこう答えてくれました。
「同業の経営者仲間から『ホームページで集客できとるで』『SNSからの求人が溢れとるで』って話を聞いて、焦って業者に頼んでのう。じゃけど、わしは今でいう体育会系じゃし、身体使うんはえんじゃけど、IT?っちゅうんはのう? 更新は社内の担当者に任せとんじゃけど、本業のほうが忙しゅうて、なかなかこっちまで手が回らんでなあ。気がついたら、3年経っとった……」
この話を聞いて、僕は痛感しました。「ホームページがあるのに、無いのと同じ」状態の会社って、めちゃくちゃ多いんです。むしろ「無いほうがマシ」かもしれない。なぜなら、お客様は「カミングスーンばかりのサイト=この会社、ちゃんと動いてないんかな?」というマイナス印象を持って帰っていくから。
この社長さんの会社は、3つの致命的な問題を抱えていました。①設計ができていないのに作ってしまった、②導線が引けていないのに更新を担当者に丸投げした、③何を書けばいいか分からず、結局「今日は社員旅行に行きました」「○○食べました」みたいな日記投稿になり、お客様に何も伝わらない。これが「立派なカタログHP」の正体です。
もしあなたが「ホームページがあれば、何かが変わる」と漠然と思って業者に依頼しようとしているなら、絶対に最初に「設計」をしてください。設計とは、「誰に何を伝えて、どう行動してもらうサイトにするのか」を最初にハッキリ決めること。これがないまま作ると、ほぼ確実にこの社長さんと同じ「立派なカタログHP」が出来上がります。詳しいリスクについては岡山の中小企業がホームページ作成で失敗しやすい理由でも書いていますので、合わせてどうぞ。
失敗③:SNSだけで集客できると思い込んで依存崩壊
3つ目の失敗パターンは、SNS依存です。これは特に飲食・美容・物販・サロン系の社長さんに多い失敗で、僕がここ数年でもっとも相談件数が増えたパターンでもあります。
シナリオはだいたいこうです。
- インスタやTikTokで投稿を始めたら、最初の半年〜1年で予想以上にフォロワーが増えた
- 予約や問い合わせも自然に来るようになり、「やっぱりSNSだけで足りる」と確信を強める
- ホームページ制作の話が出ても「いらない、SNSで足りてる」と即答するようになる
- ある日、アルゴリズム変更 or アカウント停止 or 急な投稿モチベーション低下で、リーチが激減する
- 気付いたら、新規問い合わせが激減。既存予約も「あれ、最近インスタ見ない店だな」と離脱が始まる
これ、本当に「ある日突然」起きます。脅しではなく、SNS各社のアルゴリズムは年に何度も変わります。フォロワー1万人いた店が、ある朝から投稿のリーチが10分の1になる、という事態は日常茶飯事です。
もう少し具体的に、「SNSだけ」のリスクが顕在化する4つの瞬間を整理しておきます。
SNSとホームページは、対立するものではありません。SNSは「人を呼び込む入口」、ホームページは「呼び込んだ人を確実に成約に変える受け皿」です。両方あって、初めて事業の集客は安定します。
たとえば僕がモニターでお手伝いした美容系のサロンさんは、SNSフォロワーが急増した時期に、「フォロワーは増えるのに予約が伸び悩む」状態になっていました。原因はシンプルで、DMで予約を取っていたために、忙しい時間帯のDM返信が遅れ、お客様がそのまま他店に流れていたのです。
そこで、SNSの投稿リンクをホームページの予約フォームに飛ばすように設計し直したところ、フォロワーが同じでも予約数が一気に伸びました。これは、ホームページが「24時間営業の予約受付スタッフ」として動き出したからです。
もうひとつ、見落とされやすいのが「客層の質」。SNSで集まる人は、どうしても「価格」「ビジュアル」「流行り」に反応する層が中心になります。一方、ホームページに辿り着いて隅々まで読んでくれた人は、「あなたの会社の理念や強みに共感した、本気度の高い見込み客」です。客単価も継続率もまるで違います。
「SNSだけで足りる」と思っている社長さんに、僕がいつも問いかけるのは2つの質問です。①明日アカウントが止まったら、新規問い合わせはどこから入りますか? ②今のお客様は、価格と流行りに敏感な人と、本気で長く付き合いたい人のどちらが多いですか?
この2つの問いに即答できないなら、SNS単独運用には黄信号が灯っています。
「ホームページ 必要性」は”設計があるか”で決まる【判断チェックと次の一歩】
導線がバラバラ
→ カタログHP
導線が明確
→ 24h営業マン
ここまで読んでいただいたあなたには、もう薄々分かっていただけたと思います。「ホームページ いる/いらない」の問いは、本質的には『設計があるか/ないか』の問いに置き換わるのです。
設計のないホームページは、いくら高いお金を払っても「カタログHP」になります。設計のあるホームページは、たとえ手作りで小さな1ページでも「24時間働く営業マン」になります。逆に言うと、設計を考えずに「いる/いらない」だけで判断するから、判断を誤るんです。
この章では、僕がモニターさんを通じて見てきた「設計のあるホームページ」が事業を変えた事例と、あなた自身が判断するためのチェックリスト、そして「必要だ」と判断した社長さんが次にやるべき一歩までをお伝えします。
ホームページの本質は「会社の代わりに語る設計図」(ももラボ事例)
ホームページの本質を一言で言うなら、「あなたが寝ている時も、会社の代わりに、来てほしいお客様に語りかけ続けてくれる設計図」です。
これは抽象論ではなく、実際にうちのモニター事例で証明されています。岡山県赤磐市にある「ももラボ」さん――フクロモモンガという小動物の飼育サポート専門店――との伴走の話をします。
ももラボさんは、もともと「フクロモモンガを飼いたいけど、飼い方が分からない」「飼ってみたけど、餌や環境で困っている」という飼い主さんに向けて、専門知識と情報提供を発信されている店舗です。代表のお人柄も知識も素晴らしく、お客様からの信頼も厚い。ところが、ホームページがあるにもかかわらず、問い合わせや成約が伸び悩んでいる状態でした。
初回ヒアリングで、僕はこんな質問をしました。「サイトに来た人に、最終的にどう動いてほしいですか?」。代表は少し考えて、「えっと……飼い方を知ってほしい、というか、まずは相談してほしい、というか……」と歯切れの悪い答え。これは「設計がない」典型的な状態でした。
そこで僕がやったのは、特別なことではありません。代表に、たくさんの質問を投げかけました。「来てほしい飼い主さんはどんな人ですか?」「その人は今どんなことで悩んでいますか?」「その人があなたの店を選んだら、どんな未来が待っていますか?」「あなたが一番大切にしている飼育の哲学は?」――こういう質問を、3〜4時間かけてゆっくりと話していただいた。
そこから出てきた答えを構造化し、サイトの導線を「悩んでいる飼い主さんが、まず相談したくなる順番」に再設計しました。具体的には、トップページのファーストビューを「初心者の飼育相談はこちら」に絞り、ブログでは飼い方の基礎をストーリー形式で展開、そこから自然に相談予約ページに辿り着く動線にしました。
この事例の詳細はホームページを作ったのに問い合わせが増えない理由|導線設計で成約率を改善した事例(岡山県赤磐市)にも書いていますが、要するにホームページの中身を変えただけで、お客様の動きが大きく変わったのです。アクセス数はほとんど変わっていません。変わったのは「設計」だけです。
ここで僕が伝えたいのは、ホームページが必要かどうかを判断する前に、「設計を作る覚悟があるかどうか」を自分に問うてほしいということ。設計を作る覚悟がなければ、いくら立派なホームページを作っても「カタログHP」になります。逆に、設計さえあれば、シンプルなサイトでも事業を伸ばす力を持ちます。設計のないホームページは資産にならない、という話は第3話|集客できないホームページの9割は「入り口」ではなく「受け皿」の問題でも詳しく書いていますので、合わせて読んでみてください。
5問でわかる「あなたの会社にホームページは必要か」チェックリスト
ここまで読んできたあなたが、自分の会社で判断するためのチェックリストをお渡しします。5問すべてに「いいえ」と答えられたら、ホームページは”今は”いらない会社です。1問でも「はい」になったら、もう「いらない」とは言えません。
このチェックリスト、ぜひ紙に書き出してやってみてください。経営判断の場面で「なんとなく」で決めると、あとで必ず「あの時もうちょっと考えとけば」と後悔します。
具体的に「はい」が何個だったか別に、僕の見解を書いておきます。
- 「はい」が0個:今のフェーズではホームページは不要。事業環境が変わったら再検討
- 「はい」が1〜2個:最小限のサイト(5ページ前後)で十分。まずは「会社の存在証明+強みを伝える」役割で運用
- 「はい」が3個以上:本格的なホームページが必要。設計から伴走できるパートナーを探すべき
- 「はい」が5個:ホームページを作らないことが、事業最大のリスクになっている可能性大
ここで大切なのは、「全員が同じ答えになる必要はない」こと。あなたの事業フェーズ・業種・将来ビジョンによって、答えは違って当然です。チェックリストは「自分の事業を整理する道具」として使ってください。
そして、「Q4」の重要性を強調しておきたいです。これは多くの社長さんが見落としているのですが、あなたの会社の「想い・歴史・哲学」を文章で残せる場所は、実はホームページ以外にほとんどありません。SNSは流れて消える、紙のパンフレットは古くなる、社員の記憶は引き継がれない。Webは唯一、検索可能な形で資産として残せる場所です。これを軽視しているのは本当にもったいない。
あなたの「はい」の数は、いくつでしたか?
必要だと判断した社長が、最初にやるべき一歩
チェックリストで「はい」が複数あって、「やっぱりうちにはホームページが必要だな」と判断した社長さんへ。最後に、明日からやるべきたった一つのことをお伝えします。
それは、業者に問い合わせる前に、まず「設計」を始めることです。
多くの社長さんがやってしまう失敗は、判断したその瞬間に「制作会社さんに問い合わせよう」と動いてしまうこと。これは順番が逆です。業者に丸投げで作ったホームページが、なぜ「カタログHP」になりやすいのか。それは、業者は「あなたの事業のこと」を知らない状態で作るからです。あなた自身が「自分の事業の設計図」を持っていないと、業者はテンプレートと一般論で組むしかありません。
では、設計とは何を考えることか。最低限、次の3つです。
この3つが整理できていれば、業者選びも楽になります。「うちはこういう人に来てほしくて、こう動いてほしくて、強みはこれです」と業者に説明できれば、業者も適切な提案ができる。逆に、整理できていないまま業者に行くと、「とりあえず会社案内サイトを5ページで作りましょう」というテンプレ提案が返ってくるだけです。
「でも、自分で整理しろって言われても、どうやって整理すればいいか分からない」――そう思った社長さん、安心してください。それが普通です。事業の設計図を一人で書き出せる社長は、ほぼいません。だからこそ、伴走者がいます。
もしあなたが「ホームページが必要だと判断したけど、どこから手を付けていいか分からない」「業者に問い合わせる前に、自分の事業を整理したい」と感じているなら、ぜひシリーズ第1話の「ホームページ作ったほうがいい」と言われて3年、まだ踏み出せない社長へ|岡山発・Web導線整理 第1話を読んでみてください。「踏み出せない社長」が3つの整理で動き出すまでの具体的な手順を、もっと詳しく書いています。
そして、もし「一人で整理できる気がしない」「誰かに壁打ちしてほしい」と思ったら、僕でよければ無料相談をお受けします。Novus Digital(ノバスデジタル)の公式LINEで、まずは事業の整理だけでもお手伝いさせてください。いきなりホームページ制作の見積もりを出すことはありません。あなたの事業をじっくり聞かせていただき、本当に必要なものだけを一緒に考えるところからスタートします。
「ホームページはいらない」と検索したあなたが、ここまで読んでくれた。それはきっと、心のどこかで「本当はもう判断は出ているのかもしれない」という気持ちがあったからじゃないですか? その気持ちを、僕は大切にしたいんです。

