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岡山の中小企業がホームページ作成で失敗しやすい理由

2026 5/17
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2026年3月22日2026年5月17日
岡山の中小企業がホームページ作成で失敗しやすい理由

「ホームページを作ったのに、岡山では全然問い合わせが来ない」

「これから作ろうと思っているけど、同じ岡山県内で失敗している話を聞くから、二の足を踏んでいる」

そんな気持ちでこの記事を開かれたのではないでしょうか。岡山という地域で、中小企業の社長がホームページ作成で失敗しやすい理由には、いくつかの共通したパターンがあります。それは「岡山だから」というよりも、「岡山の中小企業の経営環境」が抱える、特有の構造から生まれているものです。

はじめまして。Novus Digital(ノバスデジタル)代表のキュウと申します。岡山で、中小企業の社長さんと一緒に「思想を言葉にする」ホームページ設計を生業にしています。

僕自身、もともと別の地方から岡山に出てきて、倉敷の工場で2年、その後、岡山市内の飲食店で15年店長を務め、岡山県内を中心に運送業の現場で8年働いてきました。岡山県内の中小企業の現場を、お客様としても、働き手としても、業者さんとしても見続けてきた立場です。

結論から先に申し上げると、岡山の中小企業がホームページ作成で失敗するのは、社長のIT知識が足りないからでも、業者の腕が悪いからでもありません。「ホームページを作る前にやっておくべき整理」を、誰も社長と一緒にやってくれていないからです。そして、その「整理されていない状態」のままで業者に発注が進んでしまう構造が、岡山の中小企業には特に多い。

この記事では、岡山の中小企業がホームページ作成で陥りやすい4つの段階を、僕が現場で見てきた具体的なエピソードと一緒に解きほぐしていきます。読み終えたとき、あなたは「自社が今どの段階にいるのか」「制作会社に相談する前に、自分でやっておくべきことは何か」を、自分の言葉で整理できるようになっているはずです。

本記事についての免責事項
本記事の内容はNovus Digital調べ/2026年5月時点の情報をまとめたものです。記載している地域事例・業界動向・統計的見立ては、筆者がこれまで岡山県内で見聞きしてきた範囲での解釈であり、特定の制作会社・サービス・業者を推奨または批判する意図はありません。実際にホームページ制作の発注を検討される際は、ご自身でも複数の見積もりや評判をご確認のうえ、慎重にご判断ください。



目次

岡山でホームページ作成を考える会社ほど、最初にズレやすい理由

岡山でホームページ作成を検討する社長の多くが、最初の段階で「考えるべき順番」を入れ替えてしまっています。順番を入れ替えてしまうと、その後どれだけ良い制作会社に依頼しても、結果は変わりません。まずは、岡山の中小企業に共通する「最初のズレ」を見ていきます。

「同業者が作ったから」「業者に勧められたから」で始まる岡山の典型

岡山の中小企業が「ホームページを作ろう」と決めるきっかけで、僕が最も多く耳にするのは次の2パターンです。

ひとつは、同業者が作ったから自分も作るパターン。「同業のA社さんがホームページから問い合わせが来てるって言ってた」「B社の社長から、求人もホームページに載せたら来るようになったらしいと聞いた」——こういう話が引き金になります。岡山は同業者のコミュニティが密で、業界の社長同士で会う機会も多い土地柄です。商工会、業界団体、経営者の勉強会、ゴルフの席、夜のお店。社長同士の井戸端で得た情報は、想像以上に行動に直結します。

もうひとつは、業者から提案を受けて作るパターン。広告代理店の営業さん、地元の制作会社の営業さん、印刷会社の営業さん、たまたま会った異業種交流会の知人。「社長、そろそろホームページを新しくしませんか」「うちで作りませんか」と提案されて、断りきれずに発注に至るケースです。

どちらも、社長として悪い判断ではありません。問題は、どちらのパターンも「なぜホームページが要るのか」「ホームページで何を実現したいのか」という肝心の問いを通過していないことです。

同業者が作ったから自社も作る——この発想だと、出来上がるのは「同業者のホームページとほぼ同じ構造」のサイトです。同業者が制作会社に発注したテンプレートと同じテンプレートを使えば、見た目も中身もよく似た会社案内ができあがる。岡山の同じ業界で似たようなホームページが量産されていく光景を、僕は嫌というほど見てきました。

業者の提案で作る——これも同じ落とし穴があります。業者さんは「集客できるサイトを作りますよ」と言ってくれますが、業者さんが分かるのは「サイトの作り方」までです。あなたの会社の理念、お客様、これまでの歩み、社長の思想——そこは、社長自身が整理して業者に渡さない限り、業者さんは知る術がありません。整理されていない状態で発注された案件は、業者さん側で「業界の標準テンプレート」に落とし込まれて納品されます。

県内大手の体育会系社長の「立派なカミングスーンサイト」の話

以前、ご相談を受けた岡山県内の大手企業の社長さんの話をします。県内では知られた会社で、見た目の立派なホームページを持っていました。

社長は開口一番、こう仰いました。「ウチはWebというんかネット?が全く動いておらんのんじゃ」。お話を伺うと、業者さんに数十万円かけて作ったものの、運用も更新もできていない、と。「どげかせんとおえんとわかっとんじゃけどなあ」「わしは今でいう体育会系じゃし、身体使うんはえんじゃけど、IT?っちゅうんはのう」。

実際にサイトを拝見すると、見た目は確かに立派でした。ところが、よく見ると——

  • サービス紹介ページのいくつかが「カミングスーン」のまま
  • 最後に投稿された「お知らせ記事」が3年前
  • どこを押せばお問い合わせページに行けるのか分かりにくい
  • そもそもお問い合わせに来てほしい相手が誰なのか、サイトを読んでも伝わらない

立派なホームページの内側で起きていたのは、こういう状態でした。同業の経営者仲間から「ホームページで集客できた」「SNSからの求人が溢れてる」と聞いて、焦って業者さんに発注したそうです。更新は身内(親族)の方に任せていたものの、「身内ってのもあって甘くてな、あっちも仕事があってなかなかこっち(更新)をやってくれん。身内だからあまり強く言えんし」と、ぽつり仰いました。

この社長さんを責める気持ちは、僕には1ミリもありません。立派なホームページを作るところまでは進めたけれど、その先の運用・更新・問い合わせ導線という肝心な部分が「整理されないまま」発注に進んでしまった——これが、岡山の中小企業で本当に頻繁に起きていることです。社長は数十万円を払い、業者は約束した納品物を納め、双方とも自分の仕事を全うしている。なのに、結果として動かないサイトだけが残る。

原因はひとつだけです。業者さんが納品するのは「サイトという形」であって、「運用・更新・お問い合わせの仕組み」までは作り込んでいない。そこは社長側で整理しておくべき部分なのに、整理されないまま発注した結果、サイトは形だけ立派になり、中身は止まってしまったわけです。

20代の僕が岡山でやらかした「勢いだけでネット集客に飛び込んだ」失敗談

もうひとつ、岡山に絡んだ僕自身の失敗談をお話しします。今でも思い出すと、冷や汗が出てくる話です。

20代のなかば、僕は岡山で職を失っていた時期がありました。前の仕事を辞めて、次の仕事が決まるまでの数ヶ月、貯金を削りながら生活していたんです。その焦りの中で、「ネットで何か収入を作れないか」と思い立ち、自分でホームページを立ち上げたことがあります。

あるテーマの比較サイトを、見様見真似で作りました。「これでアクセスが集まれば、収入になるはずだ」と。一人でコツコツ作って、いざ公開してみたものの——もちろん、アクセスなんて来ません。当然です。誰にも知られていないサイトに、勝手にアクセスが集まる仕組みなど存在しない。

そこで僕は、若さと焦りが混ざった判断で、「短期間で結果を出すために、後から考えれば乱暴なやり方」に手を出してしまいました。具体的なやり方は、ここでは伏せます。当時の僕は「やれば結果が出るかもしれない」という気持ちと、「これは本当にやって良いことなのか」という葛藤の両方を抱えながら、結局やってしまったわけです。

結果は、惨憺たるものでした。ある日、家の電話が鳴って、出た瞬間、相手から強い口調で叱られました。「あなたが今やっていることは、まずいですよ」という趣旨のことを、はっきりと告げられたんです。心臓が口から出るかと思いました。やったことを全て取り消して、サイトも閉じて、それから数日は眠れない日々が続きました。

この失敗から、僕が学んだことは、ふたつあります。

ひとつは、「ホームページを作る」と「ホームページで集客する」は、まったく別の仕事だということ。サイトという形を作るのは、頑張れば一人でもできてしまう。ところが、そのサイトに人を集めて、信頼してもらって、問い合わせまで導く——ここは、サイトを作るのとは別の設計が要ります。当時の僕は、形を作ったことに満足してしまって、その先の設計を完全にすっ飛ばしていました。

もうひとつは、焦りで判断したネット施策は、必ず後で代償を払うということ。「今すぐ結果を出したい」「貯金が減っていく」という焦りは、判断をどんどん粗くしていきます。岡山の中小企業の社長さんからご相談を受けるとき、僕は常にこの自分の失敗を頭に置いています。「焦って業者に丸投げした発注」「焦って同業者と同じサイトを作った決定」——どれも、当時の僕の判断と地続きです。

「岡山の中小企業」というセグメントが抱える3つの特性

ここまでの2つのエピソードに共通している背景には、岡山の中小企業ならではの3つの特性があります。これらは長所でもあるし、ホームページ作成の場面では落とし穴にもなる、いわば両刃の剣です。

特性1: 業界内の横並び意識が強い

岡山は人口規模に対して同業者コミュニティが密で、業界団体・商工会・経営者勉強会のネットワークが機能しています。同業の社長同士で頻繁に会い、情報を交換する。これは岡山の中小企業の大きな強みです。困った時に相談できる仲間がいる、というのは、首都圏の中小企業には意外と無い財産だったりします。

一方で、ホームページ作成の場面では、「同業者が作ったから自分も」「同業者と同じテンプレートで」という判断が、サイトの個性を奪う方向に働きます。岡山の同業界で同じ顔をしたホームページが量産されると、お客様から見て「どの会社も同じに見える」状態が発生します。これが、岡山の中小企業のホームページで反応が出にくい構造的な理由のひとつです。

特性2: 身内・親族で会社を回している割合が高い

岡山の中小企業、特に老舗の会社さんでは、家族経営・親族経営の比率が首都圏に比べて高い傾向があります。これは経営の安定性・意思決定の早さという点では強みです。社長が「やる」と決めたら、その日のうちに親族の役員にも話が通って、翌日から動き出せる。これは大企業には真似できない機動力です。

ただし、ホームページの更新・運用を「身内に任せる」場面では、これが弱みに転じます。先ほどの体育会系社長の話のように、身内だからこそ強く言えない、身内だからこそ仕事の優先順位を下げられてしまうという現象が発生します。外部の業者に頼んでいれば「契約だから」で動くものが、身内では動かない。これは、家族経営の良さの裏返しでもあります。

特性3: 地元の販促雑誌・地元情報誌の影響力が今も残っている

岡山には、地元の経営者向け雑誌、業界別の販促事例誌、地域情報誌など、紙ベースの情報源が今でも一定の存在感を保っています。経営者の方が、こうした雑誌の事例を読んで「うちでもやってみよう」と動くことは、僕の感覚では今でも多い。これも、首都圏の中小企業よりも色濃く残っている岡山らしさです。

これ自体は良いことです。実際、僕も飲食店長時代、地元の販促雑誌や県外の飲食店経営誌に載っていた事例を真似て、自店の売上を伸ばした経験があります(この話は後の章で詳しく書きます)。ただ、雑誌や情報誌で取り上げられている「成功事例」は、その会社の固有の文脈・地域性・タイミングがあってこそ機能しているもので、表面的な真似ではなかなか結果が出ません。ホームページの構成も同じで、「あの会社のサイトと同じデザインで」という真似だけでは、自社の集客にはつながらないのです。

以上3つの特性は、岡山の中小企業の社長にとってはあまりに自然な前提なので、普段は意識すら上らないかもしれません。けれど、ホームページ作成というプロジェクトに着手した瞬間、この3つは静かに「ズレ」を生む要因として効いてきます。次の章では、その「ズレ」が積み重なった結果、岡山のどんな会社のホームページが「反応しない構造」に陥っていくのかを、もう少し解像度を上げて見ていきます。



岡山の中小企業で、ホームページが反応しない会社に共通する構造

「ホームページはあるけど、問い合わせが全然来ない」——この相談を、岡山の中小企業の社長さんから本当によくお受けします。サイトを拝見すると、見た目はちゃんとしているし、業者さんが手を抜いているわけでもない。それなのに反応が出ない。なぜか。理由は概ね、次の4つの構造のどれかに当てはまります。

設計を飛ばしている(ペルソナ・目的・運用設計の不在)

反応しないホームページに最も多い共通点が、「誰に・何を・どう動かしたいか」が決まっていない状態のまま作られていることです。これを僕は「設計を飛ばしたサイト」と呼んでいます。

「誰に」というのは、ペルソナのことです。あなたの会社のホームページを開いた人が、どんな人で、どんな状況で、どんな悩みを抱えていて、何を知りたくて検索したのか。これが具体的にイメージできていない状態でサイトを作ると、文章は「業界の標準的な説明文」になり、誰の心にも刺さらないものができあがります。

「何を」というのは、お客様に伝えたい価値のことです。御社が他社と何が違うのか。価格なのか、品質なのか、対応の早さなのか、社長の人柄なのか、地域での歴史なのか、技術なのか。これも整理されていないまま発注すると、業者側で「業界一般の良いとされている要素」が並べられた、特徴のないサイトになります。

「どう動かす」というのは、サイトを見た人にどんな行動を取ってほしいか、その導線設計のことです。問い合わせフォームに進んでほしいのか、電話してほしいのか、資料請求してほしいのか、メールマガジンに登録してほしいのか、来店してほしいのか。「どう動かしたいか」が決まっていないサイトは、見た人が「何をすればいいか分からない」まま離脱します。

この3つは、業者さんが代わりに整理してくれるものではありません。社長と、社長の隣で一緒に整理するパートナーが、時間をかけて言語化していくべき領域です。岡山の中小企業のホームページで反応が出ない最大の理由は、ここに尽きると言っても過言ではありません。

ホームページの問い合わせ導線設計について、もっと深く知りたい方は、過去記事の 「ホームページを作ったのに問い合わせが増えない」を、14個の施策で片づける前に|岡山ももラボの事例と、僕が"動かないサイト"を作るのを止めた話 も参考にしてみてください。同じ岡山県内で、設計を整えるだけで成約率が変わった事例を詳しく書いています。

「とりあえず作る」と「カタログHP」の岡山版

「とりあえず作る」サイトの典型として、僕が運送業の現場でよく見ていた光景を紹介します。

岡山県内の地場で運送業の仕事をしていた頃、片道200〜250キロ圏内の中小企業の倉庫・町工場・職人さんの現場を、毎日のように回っていました。荷積み・荷下ろしで待機時間が発生するので、現場のリフトマンや事務の方と雑談する時間もありました。

その中で、岡山県内の町工場や中小サービス業のホームページを「現場の人がどう見ているか」を、生で聞く機会が何度もありました。「うちのホームページなあ、社長が業者に頼んで作ってもらったけど、誰も見とらんよ」「会社の紹介と地図しか書いとらんから、お客さんからも特に何も言われん」——こういう声が、岡山の地場の中小企業の中には驚くほど多かったんです。

これがいわゆる「カタログHP」です。会社案内・事業内容・沿革・代表挨拶・アクセス・お問い合わせ。この6点セットだけで構成されていて、お客様目線で「読みたい」「もっと知りたい」と思える情報がほとんど無い。岡山の中小企業のサイトを巡回していると、このカタログHP型が今でも本当に多い。

カタログHPが悪いわけではありません。名刺代わりの存在として最低限の情報を載せるなら、カタログHPで十分機能します。問題は、社長が「集客したい」「採用したい」「お客様にうちの強みを伝えたい」と思っているのに、出来上がっているのがカタログHP止まりだ、というギャップにあります。

カタログHPと、集客できるサイトの違いについては、こちらの記事で詳しく整理しています:ホームページ作ったのに集客できない|業態別の失敗パターンと、立て直す3つの判断軸。岡山に限らない全国版ですが、業態別の典型パターンを並べているので、御社の状態と照らし合わせるのに使ってみてください。

身内更新で起こる「日記投稿の罠」

岡山の中小企業のホームページでもうひとつ多いのが、「日記投稿の罠」と呼んでいるパターンです。

業者にホームページを作ってもらった後、「お知らせ」や「ブログ」の欄を運用しよう、と決めたとします。最初はやる気のあるうちは、社長自身か、身内の方が更新していく。ところが、いざ書く段になると、何を書いていいか分からない。そこで出てくるのが、いわゆる日記投稿です。

  • 「今日は会社のみんなで〇〇に行ってきました」
  • 「ランチに〇〇を食べました」
  • 「今日は天気がよかったです」
  • 「事務所に新しい観葉植物を置きました」

これらの投稿に意味が無いわけではありません。社内の雰囲気が伝わるという良さもあります。ただ、これだけが続いていくと、ホームページが「社員の日記帳」になり、お客様が御社のサービスを検討するための情報源にはならなくなります。

原因はシンプルで、「お知らせ」や「ブログ」を、何のために書くのか、誰に向けて書くのか、書く前に整理されていないからです。整理されていれば、「お客様の悩みを先回りで解消する記事」「社長の思想を伝える記事」「業界の常識をやさしく解説する記事」のような、お客様の役に立つ情報を発信できるはずです。

身内更新の体制自体が悪いわけではありません。むしろ、身内が更新できる体制があるのは、岡山の中小企業の強みです。問題は、身内更新を始める前に「何を書くか」「なぜ書くか」「誰に向けて書くか」のガイドラインが整理されていないこと。ここを整えれば、身内更新でも十分に集客効果を出せます。

SNS依存と「岡山ローカル感のあるHP」のすれ違い

もうひとつ、岡山特有の構造として、SNSとホームページの役割分担が曖昧になっているケースを挙げておきます。

近年、岡山の中小企業でもInstagram・X(旧Twitter)・Facebook・LINE公式アカウントなど、SNSを運用される会社が増えました。同業者がSNSから求人が来ている、SNSから問い合わせが来ているという話を聞いて、SNS運用に力を入れる。これは時代に合った良い判断です。

ただ、SNSに力を入れすぎて、ホームページの方が「ローカル感ある古い体裁のまま放置されている」というパターンが、岡山の中小企業には少なくありません。SNSは新鮮で、コメントもつき、フォロワーも増えていく。一方ホームページは、3年前に作ったまま「アクセス」「事業内容」が並んでいるだけ。SNSで御社に興味を持った人が、最後にホームページを見て「会社の中身がよく分からない」と離れていく。これは、SNS運用の頑張りが、ホームページで取りこぼされている状態です。

SNSとホームページの関係について整理した過去記事もあります:SNSだけで集客し続けるのは危険です【中小企業がハマる落とし穴】。SNSは入口、ホームページは受け皿、という役割分担の考え方を書いていますので、岡山でSNS集客に注力しているなら、目を通しておく価値はあります。

ここまで挙げてきた4つの構造——設計の不在、カタログHPで止まる、身内更新の日記化、SNSとHPのすれ違い——は、岡山の中小企業のホームページが反応しない理由として、それぞれ単独で起きるよりも、複合的に絡み合っていることが多いです。1つ修正してもなかなか改善しないのは、他の3つが同時に効いているからだったりします。ここを解きほぐすために、次の章では「制作会社を探す前に、社長自身が整理しておくべきこと」を3つに絞ってお伝えします。



ホームページ制作会社を探す前に、社長自身が整理しておくべきこと

ここからが、この記事の本題です。岡山でホームページ作成に進む前に、社長自身が整理しておくべきことを3つお伝えします。この整理は、業者さんに依頼する前に終わらせておくべきものです。なぜなら、整理されていない状態で発注すると、業者さんは「業界の標準テンプレート」を当てはめるしかなく、結果として2章で挙げた「反応しない構造」のサイトが出来上がってしまうからです。

整理①:自社の「岡山らしさ」が読み手にどう映るか言語化する

最初に整理してほしいのが、自社が「岡山らしい」と感じている要素が、社外のお客様から見てどう映るかです。

岡山の中小企業の社長さんとお話しすると、自社の強みとして「地域密着」「お客様との距離の近さ」「お困りごとに小回りが利く」「3代続いている地元の会社」「岡山で長く愛されている」といった要素を挙げられる方が多い。これらは確かに強みです。ただし、そのまま言葉にしても、お客様には届きません。なぜなら、岡山の中小企業の多くが、同じことを言っているからです。

たとえば、「地域密着で創業50年」と書いてあるホームページは、岡山県内の同業他社のサイトを見比べても、似たような言葉が並んでいることが少なくありません。これは、特徴ではなく、岡山の中小企業の「最低限の前提条件」になってしまっているわけです。お客様は、その先の「だから何が違うのか」「具体的にどう小回りが利くのか」「50年の歴史で何を積み上げてきたのか」を知りたい。

整理の方法は、シンプルです。社長が「岡山らしい」「自社の強み」と思っている要素を、すべて紙に書き出してください。書き出したあと、その横に、「これは岡山の他の同業者も言っていることか?」をチェックしてみる。同業者も言っているなら、それは強みではなく前提条件です。同業者は言っていない、自社だけが言える具体的な何か——そこに、御社の本当の強みがあります。

たとえば「地域密着」と書き出したら、その横に「具体的にどう密着しているのか?最近3年で具体的にやったことは何か?」を書き加えてみる。「お客様との距離が近い」と書いたら、「最近、お客様にどんな小さな配慮をしたか?それを名前を出さずに事例として書けるか?」を考えてみる。抽象的な強みを、具体的なエピソードに分解する作業です。この分解作業が、ホームページの中身を作ります。

整理②:飲食店長時代、僕の「自分ストーリーで前年比110%」の体験

整理①の「具体エピソードに分解する」がなぜ大事かを、僕自身の体験でお伝えします。

飲食店長を岡山で15年やっていた頃、僕は店舗の売上を上げるために、ありとあらゆる販促手段を試していました。月6回しか休みがない中で、そのうち4回は本屋を回って、飲食店経営・販促・自己啓発の本を買い漁る、というのを5年以上続けていました。雑誌・書籍・地元の販促事例誌・県外の飲食店経営誌、目についた事例は片っ端からノートに書き写し、使えそうなものは翌週から試す。これを愚直にやっていた時期です。

その中で当たった施策があります。「自分のストーリーをチラシの裏面にびっしり書く」という、当時としては変わった販促です。

具体的には、僕がなぜ別の地方から岡山に出てきたのか、その前の自動車工場で何をやっていたのか、工場を辞めた後の数ヶ月どん底を経験したこと、そこから今の飲食店に拾われた経緯、そして今この店でなぜ僕が本気で取り組んでいるのか——これを、A4のチラシの裏面に、文字びっしりで書きました。表面は普通の商品案内、裏面が僕の自己紹介ストーリーです。

このチラシが、想像以上の反応を生みました。年に3回まいていたチラシの中で、ストーリー入りの初回は、その後の店舗売上を前年比110%まで押し上げました。チェーン規模のお店で前年比110%というのは、現場感覚としてはかなり大きな数字です。常連さんからは「店長の話、読んだよ」と声をかけられ、新規のお客様も「チラシ見て来ました」と来てくださる方が増えました。

同じパターンで、年3回のチラシのうち2回目・3回目にも違うエピソードを織り込んだストーリー入りチラシを撃ちました。反応率は1回目が一番大きく、2回目・3回目は徐々に逓減していきましたが、ストーリーを通じて「店長個人を覚えてくれるお客様」が確実に増えていきました。

この体験から、僕が学んだことが3つあります。

ひとつは、お客様は商品よりも「人の物語」に反応すること。これは飲食店だけの話ではなく、岡山の中小企業すべてに当てはまります。社長個人の歩み、なぜこの事業をやっているのか、これまで何を乗り越えてきたのか——お客様はここに惹かれます。

もうひとつは、具体性こそが力であること。「地域密着」という抽象語ではなく、「地方から岡山に出てきて4ヶ月無職を経験した後、この店に拾われた」という具体的なエピソードが人を動かします。整理①で抽象を具体に分解する作業の重要さは、この体験から来ています。

そして3つ目は、これをホームページに移植できれば、岡山の中小企業のサイトは劇的に変わるということ。チラシの裏面でできることは、ホームページの「代表者あいさつ」「事業ストーリー」「私たちの想い」のページで十分に再現できます。むしろホームページの方が文字数の制約がない分、もっと深く語れます。Novus Digitalで僕がやっていることの原型は、この飲食店長時代のチラシ体験です。

整理③:制作会社に渡す3つの判断材料(目的/想定読者/運用体制)

整理①と整理②を踏まえて、最後に制作会社さんに「これを使ってください」と渡せる形にまとめます。具体的には、次の3つを言語化してください。

(1) サイトの目的を「一文」で書く

「岡山の地域で〇〇に困っている方が、御社の〇〇を知り、〇〇の問い合わせをしてくれる場所」。これを社長の言葉で一文にまとめます。一文に収まらないなら、目的が散らかっています。目的が一文に収まるまで、社長自身で削り込んでください。これは業者さんでは絶対にやってくれません。

(2) 想定読者を「具体的な一人」で書く

「岡山市内の50代の建設業の社長で、3年前に作ったホームページが更新できておらず、求人がうまくいかなくて困っている方」のように、具体的な一人をイメージして書く。年齢・地域・業種・抱えている悩み・既に試したこと・これから知りたいこと、ここまで具体的に書くと、業者さんも「この人に響くサイト」を意識して作れるようになります。

(3) 公開後の運用体制を決める

「公開後、月に何回更新するか」「誰が更新を担当するか」「何を書くか(事前にテーマ案を10本書き出しておく)」「アクセス解析を誰が見るか」「半年後・1年後にどう改善するか」。運用体制が決まっていないままサイトを納品してもらうと、必ず止まります。これは岡山の中小企業に限らず、全国共通の落とし穴です。

この3つを A4 一枚に書き出して、業者さんに会う前に必ず手元に持ってください。業者さんとの打ち合わせで、この A4 を見せながら話をすれば、業者さん側も「何を作ればいいか」が一気にクリアになります。整理された依頼は、業者さんから出てくる提案の質を劇的に変えます。

業者選びそのものの考え方は、こちらの記事で詳しく書いています:ホームページ制作 フリーランスの失敗しない選び方|相場・制作会社との違い・依頼前にやることまで。フリーランスと制作会社のどちらが御社に向いているか、判断軸を整理しています。

業者選びは「整理が終わってから」で十分間に合う

ここまでの3つの整理が終わると、業者さん選びは驚くほど楽になります。なぜなら、「自分が何を作りたいか」が明確になっているので、業者さんの提案を「うちに合うか合わないか」だけで判断できるようになるからです。

逆に、整理が終わっていない状態で業者さんを探し始めると、業者さんの数だけ「こういう作り方もあります」「こういうサービスもあります」と新しい選択肢が増えて、社長の頭はますます混乱していきます。これが、岡山の中小企業の社長さんが「業者選びで疲れてしまう」最大の理由です。

整理に時間がかかるのは、当然です。社長が15年・30年とやってきた事業を、初めて言語化する作業ですから、数日では終わりません。1〜2ヶ月かけて、社長と整理を伴走するパートナーと一緒にじっくり整えるのが、僕がご一緒する場面での実際の進め方です。この期間は「サイトを作る期間」ではなく「サイトに何を載せるかを決める期間」と捉えてください。ここに時間を使えば、業者さんに発注してから納品までの期間は、むしろ短くなります。

そもそも、「うちはホームページが必要な会社なのかどうか」から迷っている場合は、判断軸を整理した過去記事も合わせてご参照ください:ホームページはいらない?業種・規模・SNSで変わる判断軸と、作って失敗する会社の共通点。岡山の中小企業に限らず、HPの要否を判断する5問チェックリストを載せています。

業者選びを社長一人でやることに不安がある場合、丸投げと整理の中間を伴走するパートナーを探す手もあります。詳しくは、こちらの記事もご参照ください:ホームページを業者に丸投げして失敗する社長の共通点|決められない構造と「整理してから任せる」3ステップ。順番シリーズの第2話で、丸投げにならない発注の進め方をまとめています。



だから岡山でのホームページ作成は、制作会社選びより前工程で差がつく

ここまで読んでくださった社長さんなら、もうお気づきかと思います。岡山でホームページ作成が失敗しやすい理由の本質は、「岡山だから」ではなく、「整理を飛ばして発注に進んでしまう」構造にあります。そして、その構造を解きほぐすカギは、業者選びの前にある「整理」の段階に詰まっています。

前工程に時間をかけたHPは、岡山でも県外でも反応する

整理を終えてからホームページ作成に進んだ会社さんは、岡山の地方都市から発信していても、岡山の中の方からも、県外の方からも、確実に反応をいただけるようになります。岡山県赤磐市のフクロモモンガ専門「ももラボ」さんに、Novus Digitalで導線設計を整え直していただいた事例があります。詳しくはこちらの岡山ももラボの事例記事でも書いていますが——整理を進めただけで、見学からの成約率が大きく動きました。サイトのデザインを変えたわけではなく、「誰に何を伝えるか」の整理を変えただけです。

これは、ももラボさんが特別だったわけではありません。整理を丁寧にやれば、岡山の中小企業のどの業種でも、似たような変化が期待できます。逆に、整理を飛ばしたままサイトを作り直しても、業者を変えても、結果は同じです。だから僕は、岡山の中小企業の社長さんにご相談いただいたときも、最初の段階で「制作の話に入る前に、整理の話をさせてください」とお願いするようにしています。

整理を一緒にやるパートナーが必要なら

整理を社長一人で進められる場合は、ぜひ進めてください。整理①〜整理③のフレームを、御社の言葉で埋めていけば、業者さんへの発注前の準備は整います。

ただ、現実的には、「自分の事業を、社外の人にどう見せるか」を一人で言語化するのはかなり難しいです。社長は自社のことを当たり前に分かりすぎているので、何が外部の人に伝わっていて何が伝わっていないのか、感覚がつかみにくいんです。これは社長の能力の問題ではなく、立場の問題です。

Novus Digital では、社長と一緒にこの整理を伴走しています。岡山で15年飲食店長を経験し、その後も運送業の現場で8年働いてきた僕が、第三者の目で社長の言葉を整理し、外部の方に伝わる形に翻訳するお手伝いです。サイトのデザインそのものは制作会社さん(もしくはお選びのフリーランスさん)にお任せして、僕はその前段階の「サイトに何を載せるか」のところに伴走します。

もうひとつ、「踏み出せない」「業者選びでもう疲れてしまった」という社長さんに合わせて読んでいただきたい記事があります:「ホームページ作ったほうがいい」と言われて3年、まだ踏み出せない社長へ|岡山発・Web導線整理 第1話。整理を進める順番を、もう少しゆっくり段階を踏んで解きほぐした記事です。

もし、整理の段階から一緒に動いてくれるパートナーが必要だと感じたら、Novus Digital にぜひお声がけください。無料相談で、御社の現状と整理の方向性を一緒に整理する時間を取っています。

今日できる「最初の一歩」3つ

この記事を読んで、明日からすぐに動ける具体的な一歩を3つお渡しします。どれも、業者さんに連絡する前に、社長一人でできることです。

一歩目:御社の「岡山らしい強み」を、紙に書き出す

整理①でお伝えした作業です。紙とペンを用意して、御社の強みと思っているものを箇条書きで書き出し、横に「同業者も言っているか?」のチェックを入れる。これだけで、御社の本当の強みが浮かび上がります。所要時間、30分でできます。

二歩目:社長個人のストーリーを、A4 一枚に書く

整理②でお伝えした飲食店長時代のチラシ裏面と同じ作業です。社長がなぜこの事業を始めたのか、何を乗り越えてきたのか、今なぜこの仕事を続けているのか。文章の上手さは問いません。書きっぱなしの「下書きレベル」で十分です。所要時間、1〜2時間。

三歩目:御社のホームページを、お客様目線で読み返す

御社にすでにホームページがあるなら、お客様の立場になって、トップページから問い合わせフォームまで、実際にクリックして読み返してみてください。「何が書いてあるか分からないページ」「次にどこを押せばいいか分からないページ」が必ず見つかります。それを箇条書きで書き出しておくと、業者さんに改善依頼を出すときの強力な資料になります。所要時間、1時間。

この3つの一歩を踏み終えると、御社が次に取るべき選択肢は、自然と見えてきます。「制作会社に発注すべきか」「フリーランスに頼むべきか」「整理を伴走するパートナーが必要か」「今のサイトを部分修正で済ませるか」——どれが御社に合うか、判断材料が揃った状態になります。



岡山の中小企業がホームページ作成で失敗しやすい理由は、「業者の腕」でも「社長のITリテラシー」でもなく、業者に発注する前の「整理」を、誰も社長と一緒にやってくれない構造に集約されます。同業者の真似で発注に進む、業者の提案に流されて発注する、身内更新の体制を作らないまま納品を受け取る——これらはすべて、整理されていない状態のまま手続きが進んでしまった結果です。

整理は、社長一人でもできます。本記事でお伝えした3つの整理(自社の岡山らしさの言語化/自分ストーリーの A4 一枚化/お客様目線での再読)から始めてみてください。整理が終わってから業者さんを探せば、岡山の中小企業のホームページ作成は、想像していたよりずっと滑らかに進みます。

もし整理の段階で詰まったり、第三者の目で見てもらいたいと感じたら、Novus Digital の無料相談をご利用ください。岡山で社長と一緒に整理を伴走するのが、僕の仕事です。御社のホームページが、岡山でも県外でも反応する場所になるよう、最初の一歩からじっくりご一緒します。

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Novus Digital代表:作る前に整理するWebパートナー
岡山で活動する、伴走型のWebマーケティングパートナー。
飲食店の店長・SVとして15年、運送業8年、現場で売上と集客に向き合ってきました。

ホームページ制作だけでなく、集客の流れや運用まで含めて一緒に整理するスタイルが特徴です。
Webが苦手な経営者の相談相手として活動しています。
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