「ホームページを作ったのに、半年経っても問い合わせの電話が1本も鳴らんのよ」
「お金もそれなりに払うたんじゃけど、これで合うとんかどうかも分からん」
「結局、昔ながらのお客さんと知り合いの紹介でしか仕事が取れとらん」
Novus Digital(ノバスデジタル)として地元岡山の社長さんとお話していると、こういう声を本当によく聞きます。
結論から先にお伝えします。ホームページで集客できない原因は「作り方」ではなく「設計」にあります。デザインのきれいさでも、機能の数でも、文字数でもありません。「誰に、何を、どう動いてもらうか」という骨組みがそもそも入っていないことが、ほぼすべての原因です。
同じテーマの記事はネット上に山ほどあります。ただ、そのほとんどは制作会社が「集客できない8つの原因」「9つの特徴」と網羅的にまとめたもの。読み終えても、自分の会社のホームページのどこを直せばいいのか、結局よく分からないまま閉じてしまう。そんなご経験はありませんか。
この記事では、業者目線の網羅型ではなく、業態別に「実際にどう詰まっているか」を物語で見ていく構成にしました。職人・サロン・中堅企業の3パターンと、設計を入れたら変わった改善事例を1つ。最後に、自分のホームページを当てはめてチェックできる3つの判断軸を整理します。
記事は3部構成です。
① ホームページで「集客できない」原因の正体(作り方ではなく設計の欠如)
② 業態別「集客できない」典型パターン(職人/サロン/中堅/改善事例)
③ 立て直すための3つの判断軸と、次の一歩
では、本題に入ります。
ホームページで「集客できない」のは作り方ではなく『設計の欠如』だった

「集客できない」と聞くと、多くの社長さんは「うちのホームページは古いから」「デザインが今っぽくないから」と原因を“見た目”に求めます。
でも、現場で何十社も社長さんのお話を聞いてきた僕の感覚では、ほぼすべて「ホームページを設計せずに作ってしまった」ことが本当の原因です。
この章では、なぜ「作り方」を直しても集客できないのか、設計の欠如とは具体的に何が抜けているのか、そして業者目線の「〇個の原因リスト」では本質が見えない理由を3つに分けてお話しします。
綺麗に作っただけのホームページが売上に繋がらない構造
まず大前提として、ホームページは「情報の置き場」ではありません。
本来は「お客様を動かすための導線」です。ここを誤解したまま作ってしまうと、どれだけお金をかけてもどれだけきれいに作っても、売上にはまったく繋がりません。
たとえば、あなたが今、自分の会社のホームページをスマホで開いてみてください。トップ画面が出てきた瞬間、来訪者は3秒で次のことを判断します。
・このホームページは誰のためのものか
・自分の悩みに関係ありそうか
・読み進める価値がありそうか
この3秒で「自分には関係なさそう」と感じたら、お客様は何の躊躇もなく戻るボタンを押します。これは性格の問題ではなく、人間がスマホで情報を見るときの普通の行動です。
ところが業者さんに依頼して作ってもらうと、多くの場合は「会社概要・サービス・料金・お問い合わせ」という定型のメニュー構成で組まれます。きれいなデザインで仕上がるので、社長さんは「立派なものができた」と満足します。
でも、これは作る側の都合で組んだ「カタログ」であって、お客様を動かす導線ではないのです。お客様が知りたいのは「うちの悩みを解決してくれる人なのか」「他と何が違うのか」「失敗しない依頼の仕方」。それらが入っていないと、いくらデザインがきれいでも素通りされます。
制作の現場でこの説明を一度もしないまま、テンプレート通りに作って納品して終わる業者さんは少なくありません。なぜなら、設計の話を始めると工数も会話量も増えて、業者側のコストが膨らむからです。「とりあえずきれいに作る」が一番ラクで、ある意味ビジネスとして成立してしまっているのが現状です。
以前ご相談を受けた地元の社長さんは、3社の業者さんに見積もり依頼をされた経験を話してくださいました。3社とも、最初の打ち合わせで聞かれたのは「会社情報、サービス内容、予算、希望デザインのテイスト」の4点だけ。「どんなお客様に何を伝えたいか」を1社も聞かなかったそうです。社長さんは「あぁ、業者さんはみんなこんなもんか」と思って、価格と納期だけで業者を決めてしまった。完成したホームページは、確かにデザインはきれいだったけれど、半年経っても電話は鳴りませんでした。
結果として、社長さんは「お金を払って立派なものを作ったのに、なぜか問い合わせが来ない」という矛盾の中に取り残されます。これは社長さんがITに疎いせいでも、デザインが古いせいでもありません。そもそも「お客様を動かす設計」をしていないホームページは、最初から集客できる構造になっていないのです。
もう少し踏み込んで言うと、設計の無いホームページは「営業マンを雇ったのに、商品説明書だけ渡して『あとは自分でやって』と言って店頭に立たせた」状態に近いです。営業マン本人がどれだけ優秀でも、誰に何を売るのかが分からなければ動けません。ホームページも同じで、設計という名の指示書が無いと、訪れたお客様に対して何も働きかけてくれません。きれいに飾った商品説明書を、ただ置いてあるだけになってしまうのです。
集客できないホームページに共通する『3つの設計欠如』
では、設計とは具体的に何を指すのか。ややこしい話ではありません。次の3つを言葉にする作業です。
集客できないホームページは、ほぼ間違いなくこの3つのどれか、もしくは全部が抜けています。
「誰に」が無いから、検索しても見つけてもらえない。
「何を」が無いから、見つかっても自分事に感じてもらえない。
「どう動いてもらうか」が無いから、興味を持っても次の一歩が踏めない。
ここで多くの社長さんが「いや、うちは『どんなお客様が来てほしいか』くらい当然分かっとるよ」とおっしゃいます。実際、長年経営してこられた社長さんなら、頭の中には絶対に答えがあります。
問題は、頭の中にあるものを「お客様が読んで分かる言葉」に落とし込む作業が抜けていることです。社長さんの中では当たり前すぎて言語化していない部分。それを引き出して、ホームページ上の文章・画像・導線に変換する。これが本来「設計」と呼ばれる作業の正体です。
ところが、ほとんどの制作現場ではこの設計の時間が取られません。最初のヒアリングで業者から渡されるのは、「会社の住所は?」「電話番号は?」「載せたいサービスは?」という事務情報の確認シート。これは設計ではなく、ただの納品準備です。設計の3要素を引き出さないまま、テンプレートに事務情報を流し込んだだけのホームページが世の中にあふれている、というのが実態です。
もし今、あなたの会社のホームページの「制作前ヒアリング記録」が手元にあったら、開いてみてください。そこに「うちのお客様は、どんな悩みを抱えてうちを選んでくれているか」という問いと、その回答が書かれているでしょうか。もし書かれていないなら、そのホームページは設計を経ずに作られた可能性が非常に高いです。逆に、その問いから始まっている記録があるなら、設計の入口は通っています。あとは、設計の中身が今もホームページに反映されているかをチェックすれば、現状の立て直しポイントが見えてきます。
地方の中小企業さんでよくあるのは、「設計らしき会話」が初回打ち合わせの冒頭5分だけあって、そのあとは見た目とページ構成の話に移ってしまうパターンです。これは設計が「あった」とは言えません。設計はテンプレートに当てはめる前の作業ではなく、テンプレート選びそのものを左右する根っこの部分です。ここが浅いと、どれだけ後工程に時間をかけてもホームページの集客力は上がりません。
業者目線の「〇個の原因リスト」では本質が見えない理由
ここまで読んでくださった社長さんなら、もう感づいておられるかもしれません。
「ホームページで集客できない8つの原因」「9つの特徴」「10選 最新版」といった記事を読んでも、なぜか自分の会社にどう当てはめればいいか分からない。あれは網羅されているようで、実は本質に触れていないからです。
試しに、よくあるリストの中身を眺めてみてください。だいたい次のような項目が並んでいます。
・ターゲットが明確でない
・コンテンツが少ない
・更新頻度が低い
・スマホ対応が弱い
・検索結果の上位に出ない
・お問い合わせ導線が分かりにくい
・写真の質が低い
・運用担当者がいない
・分析していない
どれも間違いではありません。確かにそうだろうな、と頷けます。
ただ、これを読んだ社長さんが「じゃあ全部やります」と動けるかというと、無理です。9個も同時には変えられないからです。何から手をつければいいのか、どれが致命傷でどれが些細なのか、優先順位がまったく見えません。
業者目線で網羅しているリストには、もう一つ落とし穴があります。それは「業者がそのあと売りたいサービスに繋がる項目」だけが目立つ位置に置かれていることです。「検索順位が低い → だから検索対策のお見積もりを」「運用担当がいない → だから運用代行プランを」。読んでいるうちに、社長さんは知らず知らず業者の営業導線に乗せられています。
つまり、集客できないホームページの本質は「やることが多すぎる」のではなく「設計が抜けている」。設計を入れると、9個のリストのうち本当に致命的な2つか3つが浮かび上がります。残りはその2つを直せば連動して改善することがほとんどです。
具体的に申し上げると、Novus Digitalで伴走させていただいた事業者さんの中で、最初に直すのが最も効果的だった項目は「トップページの最初の画面」と「サービス紹介ページのページタイトル」の2か所であることが多いです。この2か所だけを設計に基づいて書き直すだけで、3か月後の検索結果での表示回数が3倍以上に伸びた事例がいくつもあります。9個のリストを順番に潰すよりも、設計から逆算して致命傷の2か所を直すほうが圧倒的に早く効果が出ます。
業者目線の網羅型リストには、もう一つ見落とされがちな副作用があります。それは、リストを読んだ社長さんが「うちはどれにも当てはまる気がする……」と感じて、結局何も手をつけられなくなることです。9個もチェック項目があると、自分の優先順位がぼやけて動きが止まります。設計から考え始めれば、最初に潰すべき1か所が必ず見えるので、社長さんも動きやすくなります。これは伴走の現場で何度も起きている、判断疲れの構造です。
ここまでが、なぜ「作り方」を直しても集客できないのか、という構造のお話でした。次の章では、実際の業態別に「どう詰まっているか」を物語で見ていきます。あなたの会社に近い業態があれば、自分のホームページに当てはめながら読んでみてください。
業態別「ホームページ作ったのに集客できない」典型パターン

ここからは、僕が実際に相談を受けてきた中で「これは典型だな」と感じる4つの業態パターンをご紹介します。職人さん、サロン・整体院、中堅企業、そして設計を入れたら問い合わせが来るようになった改善事例。
登場する事例は、特定の方を断定できないようディテールを調整していますが、起きていることは現場で実際に起こっている話ばかりです。あなたの会社の状況と重なる部分があれば、ぜひメモしながら読んでみてください。
【職人・一人親方】屋号と料金表しか書いてない、問い合わせ電話0件のホームページ
地方の左官屋、板金屋、電気工事屋、塗装屋。
こういう職人系の小規模事業者さんから「ホームページを作ったが何も起きない」というご相談を、僕はよく受けます。
あるご相談で典型だったのが、地元で30年続く左官屋さんの二代目社長さんでした。先代から事業を引き継いだタイミングで、知人の業者さんに頼んでホームページを20万円ほどで作られたそうです。出来上がったホームページを見せていただくと、内容はこうでした。
・トップ画像(職人さんの作業風景の写真1枚)
・屋号と所在地、電話番号
・施工メニュー一覧(漆喰・モルタル・タイル下地…)
・料金表(◯◯m²あたり何円)
・施工事例の写真5枚(住宅・店舗・公共施設)
・お問い合わせフォーム
立派なものではありました。デザインも今風で、写真もきれい。
でも、社長さんは寂しそうにこうおっしゃいました。
「作ってからもう2年経つけど、ホームページからの問い合わせ電話は1本も鳴ったことがない。結局、昔から付き合っとる工務店さんと、近所の知り合いからの紹介でなんとか食えとる感じです」
僕が「このホームページは、誰に向けて作りましたか」とお尋ねすると、社長さんは少し考えてから「うーん、左官の仕事を頼みたい人、かな」とお答えになりました。
これが一番怖い答えです。「左官の仕事を頼みたい人」は業界用語ですでに困りごとが解決済みの人なので、検索もしませんし、ホームページにもたどり着きません。
本当にホームページに来てほしいお客様は、たとえばこういう人です。
・実家の和室の壁が経年で剥がれてきて、この際だから漆喰で塗り直したい60代主婦の方
・古民家を買って店舗にリフォームしたい30代カフェオーナー
・新築の塗壁を頼める職人さんを探している工務店の現場監督
それぞれ、検索する言葉も違えば、料金より先に確認したいことも違います。「漆喰 リフォーム 岡山」「古民家 内装 自然素材」「住宅 塗壁 職人」と検索したときに、料金表だけのホームページが出てきても、誰の心も動かしません。
職人系の社長さんに足りないのは、技術でも腕でもありません。むしろ腕は超一流。足りないのは「どんな悩みを持った誰の役に立ちたいのか」を一度立ち止まって言葉にする時間です。これが設計の最初の一歩で、ここを業者さんが引き出してくれていないと、どれだけ立派なホームページを作っても電話は鳴りません。
逆に、設計を整えた職人系のホームページは、独自の磁力を持ち始めます。たとえば「築40年の和室の漆喰壁を、現代の住宅でも違和感のない仕上がりに塗り直す」という得意分野を1つだけページにまとめたとします。すると、まさにそれを探していた60代の主婦の方や、古民家リノベを請け負う工務店さんが、Googleで検索した結果として辿り着くようになります。問い合わせは月に2〜3件かもしれません。でも、その全員が「あなたに頼みたい」と最初から決めて電話してくれます。値引き交渉も、相見積もりの当て馬扱いもありません。
職人系の事業者さんに僕がよくお伝えするのは、「ホームページを介して『この人に頼みたい』と感じてもらう設計をしておくと、最終的には紹介客と同じ温度のお客様が、紹介者なしで直接来てくれるようになる」ということです。腕で勝負できる職人さんほど、この設計が刺さると相性のいいお客様だけが集まる仕組みが回り始めます。
【サロン・整体院】症状別ページがゼロで検索表示なし、結局ホットペッパー頼み
続いて、サロン系の業態。整体院、リラクゼーション、エステ、美容室、ネイル。
こういう業態の社長さんから受ける相談で多いのは「ホームページを作ったけど、Googleで検索しても全然出てこない。結局ホットペッパーや予約サイトに毎月お金を払い続けてる」というパターンです。
ある女性オーナーの整体院さんが、まさにこの状態でした。開業から5年、ホームページは2年前に40万円で作り直したばかり。中身を確認させていただくと、こんな構成でした。
・院内の写真とオーナーの笑顔写真
・施術メニューと料金表
・営業時間と地図
・「私が整体師になった理由」というオーナーストーリーの長文ページ
・お問い合わせフォームと電話番号
パッと見は感じが良くて、人柄も伝わるホームページです。でもオーナーさんはこうおっしゃいました。
「ホームページからの新規予約は月に1〜2件あればいいほう。新規のお客様の8割はホットペッパー経由で、それも『今月の特別クーポン』目当ての方ばかり。リピートに繋がりにくくて、毎月の手数料を払うほどに利益が薄くなっていく感覚があります」
サロン系の社長さんが陥りやすい設計の欠如はこれです。「自分が提供しているメニュー」の言葉でしかホームページを作っていない。
でも、お客様は「整体 メニュー 60分コース」とは検索しません。「肩こり 治らない 岡山」「腰痛 自宅で 整体」「妊娠中 マッサージ 大丈夫」と、自分の悩みの言葉で検索します。
この溝を埋める作業が、設計の中の「②何を」の部分です。お客様の悩みの言葉と、自分が提供できる解決の道筋を、ページ単位で紐づけていく。たとえば次のように。
・「肩こりが慢性化して薬が効かない方へ」というページに、慢性肩こり向けのアプローチを書く
・「妊娠中・産後で施術を受けてもいいか不安な方へ」というページに、安全に受けられる範囲と注意点を書く
・「デスクワークで首から肩が固まっている方へ」というページに、姿勢の癖と施術後のセルフケアを書く
この設計のやり直しは、決して大規模な作り直しではありません。既存のホームページに「お悩み別ページ」を5つ10つ足していくだけで、3か月から半年かけて検索結果に表示され始め、自分のホームページから直接予約が入る流れに切り替わっていきます。
サロン業はリピート率と相性で利益が決まる業態です。一見さんを呼び込むよりも、悩みでちゃんと検索してくれた人と最初から相性の合う関係を作るほうが、長い目で見て圧倒的に儲かります。設計の欠如を放置したままだと、いつまでたってもホットペッパーに払う手数料がじわじわ経営を圧迫し続けます。
【中堅企業】カミングスーン3年・更新止まりの立派だが死んでいるホームページ
3つ目のパターンは、地方の中堅企業に多い「立派だけど機能していないホームページ」です。
従業員数で言えば30〜100人規模、創業数十年、地域では名の知れた会社さん。こういう企業のホームページを拝見すると、見た目はとても立派です。プロのカメラマンが撮った写真、洗練されたデザイン、しっかりとした企業ロゴ。「お金をかけて作った感」が漂っています。
ところが、よく見ると違和感が次々と出てきます。
・トップページの「新着情報」が、最後の更新が3年前で止まっている
・「採用情報」のページが「Coming Soon」のまま
・「事業紹介」の中に「準備中」「ただいま準備中です」のリンクが3つ以上ある
・お知らせブログを開くと、最新記事が「今日は社員旅行で○○へ行きました」「△△を食べました」という日記が並んでいる
・お問い合わせ導線が、フッターの小さな文字リンク1つしかない
以前、岡山県内のとある体育会系の社長さんから「うちはネット周りが全く動いとらん」とご相談を受けたとき、まさにこの状態でした。社長さんは申し訳なさそうに、こうおっしゃいました。
「業者さんに何十万も払うて立派なものは作ってもろたんじゃけど、運用は社内の担当者に任せとってのう。担当者も本業で手一杯で、ホームページの更新までは手が回らんのんじゃ。わしは体育会系で身体を動かすんは得意じゃけど、ネットっちゅうのはどうもよう分からんでなぁ」
この社長さんの状態を、ホームページを訪れる方の目線で見るとどう映るか。たとえば、新規取引を検討してこの会社のホームページを開いた経営者がいるとします。最後の更新が3年前と知った瞬間、その方はおそらくこう思います。
「この会社、まだ営業しとるんかな……?」
「事業内容ページが準備中ばっかりやけど、ちゃんとサービスしとるんかな?」
つまり、立派に作ったはずのホームページが、「この会社は信頼していいか分からない」というネガティブな印象を逆に発信してしまっているのです。これは作らないほうがマシだったかもしれない、というレベルの逆効果です。
中堅企業のホームページは、設計段階で「誰がいつ何を発信し続けるか」の運用ルールまで決めておかないと、必ずこの状態に陥ります。社内の担当者が変わったとき、業務が忙しくなったとき、社長さんの優先順位が変わったとき。どの瞬間でも止まらない仕組みを最初に組んでおくこと。これが「設計」のもう一つの大事な要素です。
逆に、お知らせ更新を「日記」ではなく「お客様の判断材料を増やす情報発信」と位置づけて再設計すれば、止まったホームページもまだ復活できます。たとえば、施工事例の追加、お客様からよく受ける質問への回答、業界のニュースへのコメント、社内体制の変更告知。これらは社長さんや幹部の方が口頭で5分話してくれれば、文章化までは外部の伴走者が引き受けることもできます。
【改善事例】設計を入れて問い合わせが来るようになったBefore-After
ここまで3つの「集客できていない」典型パターンを見てきました。最後に、実際に設計を入れ直して問い合わせが安定的に入るようになった、Novus Digitalの改善事例をご紹介します。
岡山県赤磐市にある「ももラボ」さん。フクロモモンガの育成支援機構として全国でも珍しい事業をされている、男性オーナーの個人事業者さんです。
ご相談を受けた時点では、こんな状態でした。
・SNS発信は熱心にしているのに、相談やご来店への問い合わせが伸びない
・サポートの良さを言葉で説明しても「うちには関係ないかも」と言われてしまう
・問い合わせフォームから来る相談の質がバラバラで、対応に時間がかかる
オーナーさん自身は「自分の伝え方が悪いんじゃないか」「料金設定が合ってないのか」と原因を疑っていらっしゃいました。でもサポートの中身を聞かせていただくと、専門性も独自性も全国でトップクラス。「中身は素晴らしいので、伝え方の設計を整えましょう」とご提案して、半年かけて伴走させていただきました。
具体的にやったことはシンプルです。
・「誰のための」サービスかを、初めてフクロモモンガを飼う初心者さんと、すでに飼育で困っている経験者さんに切り分けた
・それぞれの悩みに対応するページを別々に作り直し、悩み別の検索ワードに反応するよう構造を整えた
・問い合わせフォームの前段に「あなたはどちらのタイプですか」という分岐を入れて、最初から相性の合うお客様だけが来るようにした
📎 あわせて読みたい
ホームページを作ったのに問い合わせが増えない理由|導線設計で成約率を改善した事例(岡山県赤磐市)
ももラボさんの事例の全文版です。Before-Afterの具体的な数字と、半年間で実際に変えたページ構成の変遷を時系列でまとめています。
この事例で僕が一番強くお伝えしたいのは、改善のためにホームページを丸ごと作り直したわけではないということです。土台は活かしたまま、設計の3要素(誰に・何を・どう動いてもらうか)を整理し直して、ページ構成と文章を組み替えた。それだけで、お客様の流れが変わりました。
具体的にどんな手順だったかをもう少しお伝えすると、半年間のうち最初の1か月は、オーナーさんと僕で延べ10時間ほど対話だけしました。「初心者さんがフクロモモンガを飼い始めて、最初の3か月でつまずく場面はどんな瞬間ですか」「経験者さんが他のブリーダーから乗り換える理由は、どこにあると思いますか」。問いを変えながら、頭の中の答えを引き出していきました。次の1か月は、引き出した内容を文章に落とし込み、ページの構成図を作る作業。残りの4か月は、書いた文章を実際に運用しながら、お問い合わせの傾向を見て微調整する繰り返しでした。
つまり、今あなたの会社のホームページが集客できていなくても、作り直す必要はないかもしれません。設計を入れ直すだけで、半年から1年かけて流れは変わっていきます。問題は「直すかどうか」ではなく「どこを直すか」を見極められるかどうかです。
ももラボさんのケースで素晴らしかったのは、オーナーさんが「自分の伝え方が悪いんじゃないか」「料金が高すぎるのか」と表面的な要素を変える前に、設計の見直しを選んでくださったことです。多くの社長さんは、集客できないと感じるとまず料金を下げたり、デザインを刷新したりという表層の対症療法に走ります。それで一時的に流れが変わることもありますが、根本の設計が抜けていると、また数か月で同じ状態に戻ります。設計を直す勇気が、長く続く改善の土台になります。
ホームページ集客できないを抜け出す『3つの判断軸』と次の一歩

ここまでの内容を踏まえて、最後にあなたのホームページを自己診断するための3つの判断軸を整理します。
難しい専門知識は要りません。今すぐスマホで自社のホームページを開いて、それぞれの軸でチェックしてみてください。1つでも「うちはここ抜けてるな」と感じる項目があれば、そこが最初に手をつけるべき場所です。
判断軸①「誰に何を伝えているか」整理されているか
最初の判断軸は、設計の根っこに当たる部分です。
あなたのホームページのトップ画面を開いて、3秒だけ眺めてみてください。「これは誰のためのホームページで、その人にどんな解決を約束しているか」が3秒で伝わってきますか。
4つのうち、3つ以上にチェックが入らないなら、判断軸①の設計が抜けています。これは制作費の高低や見た目の良し悪しとはまったく無関係に起こる問題です。500万円かけたホームページでも抜けることはあるし、20万円のホームページでも揃っていることはあります。
この判断軸を満たすために必要なのは、社長さんご自身が「うちは誰の役に立ちたいのか」を一度、丁寧に言葉にしてみる時間です。多くの社長さんは長年経営してこられた中で、頭の中には絶対に答えを持っています。ただ、それを「お客様が読んで分かる文章」に変換する作業を、これまで一度もしたことがないだけです。
もし社長さんお一人で言語化する時間が取れない場合、伴走できる第三者と1〜2時間ヒアリングするだけでも、輪郭は驚くほどクリアになります。Novus Digitalでは、この最初の言語化セッションを無料で受け付けています。「うちは設計があるかどうかも分からん」という段階の社長さんでも大丈夫です。話し言葉でぽつぽつと語っていただくところから始めます。
判断軸①が整っていないと、このあとの判断軸②③をいくら整えても土台が揺らぐので、ここから順番に潰していくのがおすすめです。
判断軸①を整えた事業者さんで印象に残っているのは、岡山市内で美容関係の施術をされている女性オーナーさんです。それまでのホームページのトップ画面には「美しさをデザインする」「あなたらしさを引き出す」といった抽象的なキャッチコピーが並んでいました。設計をやり直したあと、トップは「40代以降のお客様限定。年齢に合った肌のお手入れを、岡山駅から徒歩◯分のサロンで」という、来てほしい方に向けた具体的な一文に変わりました。それだけで、3か月後にはホームページからの新規予約が月1件から月7件に増えたそうです。お客様像が言葉になっていなかった時期と比べて、来てくださる方の年齢層もぴたりと揃うようになりました。
この事例から分かるのは、判断軸①は「ターゲットを絞り込む」と表現されがちですが、実態は『お客様にとって自分事になる入口を作る』作業だということです。絞り込むと聞くと「お客様が減るのでは?」と心配になりますが、逆です。「私のための場所だ」と感じてもらえる入口が無いと、誰も入ってきてくれません。
判断軸②「お客様が判断できる構造」になっているか
2つ目の判断軸は、お客様がホームページを読み終えたときに「ここに頼もうかな」「もう少し検討してみよう」「自分には合わなさそう」のいずれかを自分で判断できる材料が揃っているか、です。
多くのホームページが落とし穴にはまるのは、ここで「うちのサービスはこんなに素晴らしいです」「業界トップクラスです」「他社とは違います」という作る側の自慢ばかりが並んでしまうこと。これでは、お客様は判断できません。
お客様が判断するために本当に必要なのは、次のような材料です。
とくに最後の項目は、多くの社長さんが「えっ、合わない人を最初に書くんですか?」と驚かれる部分です。でも、地方で長く愛される事業ほど、「合わない人を最初に正直に伝える」ことで信頼を得ています。Novus Digitalでも、最初の相談時に「うちのサービスがおすすめできないのはこういう方です」と必ずお伝えします。これでお断りした方は、後日別の課題でご紹介をくださることが多いです。
お客様は本来、慎重に検討してから決めたいと感じているものです。とくに地方の中小企業さん同士の取引や、長く付き合うサービス業の選定では、価格よりも「相性」と「信頼」と「安心感」で決まります。判断材料を惜しまず出すホームページは、それだけで他社と差がつきます。
このセルフチェックで2つ以上「うちは出してないな」と感じたら、まずは1つだけ追加してみることから始めてください。お客様の声、料金内訳、初回の進め方。どれか1ページ書き足すだけで、3か月後の問い合わせの「質」は確実に変わります。
判断軸②に関して、よくいただく質問が2つあります。1つ目は「料金を全部出してしまうと、相見積もりの参考にされて他社に取られるのでは?」というものです。これは半分正解で半分間違いです。料金で他社と比較されるのは、そもそも料金しか判断材料がない状態のとき。料金以外の判断材料(事例・人柄・進め方・合わない人の正直な開示)がしっかりホームページに並んでいれば、お客様は料金を見たうえで「この値段ならお願いしたい」と納得して連絡をくださいます。むしろ料金を伏せている事業者さんは、最初の問い合わせの段階で「とりあえず聞いてみる温度の人」しか集まらず、商談の歩留まりが悪くなります。
2つ目は「お客様の声を集めるのが難しい。何と言って依頼すればいいか分からない」というものです。これも実はシンプルで、サービス提供から1か月ほど経ったタイミングで、お客様に「依頼前に不安だったこと」「依頼してよかったと感じる瞬間」「迷っている同業の方に伝えるとしたら何と伝えるか」の3つを質問するだけで、十分に深い声が集まります。これを文章化してホームページに載せると、これから検討する別のお客様の判断材料として極めて強い効果を発揮します。お客様の声は、自社で発信する100の言葉より、利用者の1つの声のほうが何倍も強い、というのは判断軸②でも特に大事なポイントです。
判断軸③「小さく試して改善できる体制」があるか
3つ目の判断軸は、ホームページを「作って終わり」ではなく「続けて育てる」体制が組めているか、です。これが揃っていないと、判断軸①②をどれだけ完璧に整えても、半年後にはまた「集客できないホームページ」に戻ってしまいます。
地方の中小企業さんの場合、社内に専任のホームページ担当者を置くのは現実的ではないことがほとんどです。だからこそ、最初の設計段階で「無理なく続けられる運用」を組んでおく必要があります。
とくに大事なのは1つ目の項目です。月に30分でいいので、社長さん自身が自社のホームページを開いて読み返す時間を持つ。これだけで、致命的な放置はほぼ防げます。お知らせが半年止まっていることに気づく、リンク切れに気づく、自分で読んでも分かりにくい部分に気づく。気づきさえあれば、次の改善に繋がります。
3つ目の項目もよく見落とされます。「業者に任せとけば大丈夫」という発想は、判断軸③を完全に欠いた状態です。業者は技術と作業を担当できますが、「うちの事業にとって今、何を発信すべきか」という方針判断は、社長さんしかできません。ここを業者に丸投げした瞬間、ホームページは事業から切り離されて、止まる方向に向かいます。
判断軸③で実践しやすい仕組みを1つご紹介すると、「月1回の振り返り会」を社内で30分だけ持つことが効果的です。社長さんと1〜2名の関係者で、月初の朝礼前に集まって、(1)先月の問い合わせの中身を振り返る、(2)その月にお客様からよく聞かれた質問を書き出す、(3)それをホームページのどこに反映するかを決める、の3ステップを30分でやります。これだけで、ホームページは事業の動きと連動して育ち続けます。担当者が変わっても、この振り返り会の議事録さえ残しておけば、引き継ぎが効きます。
「月1回の30分なら確かにできそうだ」と感じてくださる社長さんが多いです。逆に「年1回まとめて見直そう」と決めても、実際には2〜3年放置されることがほとんど。地方の中小企業さんで判断軸③が崩れる典型は、この「まとめて見直し」発想です。小さく頻繁に手を入れる仕組みを最初に作っておくと、致命的な放置はほぼ起きなくなります。
自社で立て直すか、伴走相手と立て直すか(次の一歩)
3つの判断軸でセルフチェックしてみて、「うちはこの軸が抜けているな」という箇所が見えてきましたか。
ここから先の選択肢は2つです。
選択肢A:自社で立て直す
判断軸①〜③のうち抜けているのが1つだけで、社長さん自身に時間と関心の余裕があるなら、自社で立て直すのは十分に可能です。半年から1年かけて、月に1〜2時間ホームページに向き合う時間を作る。お客様の声を1つずつ集める。お悩み別ページを月に1ページのペースで追加していく。これだけでも、確実に変化は出ます。
自社で立て直すとき、最初に読んでいただきたい記事を1つだけご紹介します。「ホームページで集客できない理由は設計にあり|今日から変える3ステップと運用習慣」では、この記事よりさらに具体的な「今週やる3ステップ」を整理しています。
選択肢B:伴走相手と立て直す
判断軸①〜③のうち2つ以上が抜けていて、社長さんご自身も「言語化に時間が取れない」「何から手をつければいいか自分で判断できる自信がない」という場合は、外部の伴走相手を持つことを強くおすすめします。
伴走相手を選ぶときに大事なのは、「いきなり制作を売ろうとしない人」を選ぶことです。最初に「ホームページのリニューアルプラン」「集客代行プラン」を出してくる業者さんは、設計を一緒にする相手としては適切ではないかもしれません。
本来、伴走相手の最初の仕事は「あなたの事業を理解すること」です。1〜2時間、社長さんの話をひたすら聞いて、頭の中にある答えを引き出す。その上で、何を直すべきか、自社でできる範囲はどこか、外部に頼むべき範囲はどこかを一緒に整理する。ここまでを無料 or 低額でやってくれる相手が、長く付き合える伴走相手です。
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Novus Digitalは、まさにこの伴走を本業としている屋号です。岡山を拠点に、地方の中小企業さんと個人事業主さんに特化して、ホームページの設計・制作・運用を一気通貫でお手伝いしています。「いきなり制作の話」ではなく、まずはあなたの事業について教えていただくところから始めます。
「うちのホームページ、集客できとらんけど何から手をつけたらええんじゃろう」と感じておられる社長さん。最初の一歩として、下記の公式LINEから気軽にお声がけください。1〜2時間、無料でじっくりお話を聞かせていただきます。判断材料を整理してお戻しするまでが無料の範囲です。そこから先は、社長さんが必要と判断されたときだけご相談くださって構いません。

